ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見る豪州経済(2014年10月)  景気は個人消費に支えられ底堅く推移【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見る豪州経済(2014年10月)  景気は個人消費に支えられ底堅く推移【デイリー】

2014年10月23日

【ポイント1】個人消費は底堅く推移

住宅市場は堅調、雇用は改善傾向
■8月の小売売上高(季節調整済)は、前年同月比+5.1%となり、今年2月以降は概ね同+5%台で推移しています。先行きの参考となる消費者信頼感指数は下げ止まり感があり、消費の底堅さは続きそうです。

■8月の住宅建設許可件数は、前年同月比+14.5%と堅調でした。9月の失業率は6.1%と8月の6.1%(改定値)から横ばいとなりました。雇用環境は緩やかな改善傾向にあると見られます。

【ポイント2】政策金利は当面据え置き

物価上昇率は低下へ
■オーストラリア準備銀行(RBA)は10月の金融政策会合で政策金利を過去最低の2.5%に据え置きました。声明文では「現行の政策は、景気とインフレの見通しに沿う」とし、低金利政策の継続を前回に引き続き示唆しました。

■7-9月期の消費者物価指数は、前年同期比+2.3%と前期(同+3.0%)から低下しました。通信や交通など幅広い分野で上昇率が低下していることから、物価上昇率は全体として緩やかな低下傾向にあると見られます。

【今後の展開】景気は個人消費の増加に支えられ底堅く推移する見込み

■輸出は中国向けの鉄鉱石が増加しているものの、全体として前年比減少しており外需は低調です。内需は、低金利や雇用環境の改善などから住宅、消費を中心に底堅く推移しており、GDP成長率は年率+3%前後となりそうです。

■RBAは、今後2年程度の物価上昇率が年+2~3%で推移すると見ています。物価上昇率は、賃金の上昇率が当面安定的に推移すると見られることやエネルギー価格の下落によりRBAの見方に沿い推移しそうです。雇用環境の改善が進むと利上げ観測が強まると見られるものの、物価の落ち着きから政策金利は当面据え置かれそうです。

■豪ドルは、相対的な高金利が維持されそうなことから当面底堅い推移が見込まれます。ただし、米国の利上げ前倒し観測や資源価格の一層の下落は波乱要因として注意が必要です。

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