ホームマーケット日々のマーケットレポートトルコの金融政策(2014年9月)  各種政策金利をいずれも据え置き【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

トルコの金融政策(2014年9月)  各種政策金利をいずれも据え置き【デイリー】

2014年9月26日

【ポイント1】政策金利水準の正常化は一旦見送り

大方の予想通りの決定
■トルコ中央銀行(以下、中銀)は25日、1週間物レポ金利を8.25%に、金利誘導レンジの上限金利を11.25%に、下限金利を7.50%に、いずれも据え置くことを決定しました。

■中銀は今年1月、トルコリラの安定化などを狙い、臨時の措置として各種政策金利を大幅に引き上げました。5月以降は、各種政策金利水準の正常化を進めています。しかし今回は、足元のトルコリラ安や一段の物価高などから、市場では政策金利の据え置きが予想されていました。

【ポイント2】引き締めスタンスを当面維持

物価見通し改善の遅れを懸念
■消費者物価指数は、年+9%台の上昇率が続いています。市場予想では、足元の水準から低下するものの、来年も中銀の物価目標(年+5%)を大きく上回る見込みです。中銀は、食品価格の上昇が物価見通し改善を遅らせていると懸念しています。

■今回利下げによる政策金利水準の正常化が見送られたことで、中銀の物価抑制姿勢がより明確に印象づけられた格好です。中銀は、物価見通しが顕著に改善するまで、現行の金融引き締めスタンスを続ける考えです。

【今後の展開】物価見通しが改善する場合、政策金利水準の正常化を再開する見込み

■景気が減速傾向にあることから、中銀は物価見通しが改善する場合には、各種政策金利水準の正常化を再開する見込みです。ただし、足元のリラ安や物価高を考慮すると、中銀は当面利下げには慎重にならざるを得ないと見られます。

■米国の利上げ時期が近づくにつれ、リラは米ドルに対し上値の重い展開が続くと思われます。対円では、日銀の追加金融緩和観測などもあり、リラは底堅い動きになりそうです。

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