ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見る豪州経済(2014年8月)  低金利政策を背景に底堅い景気が続く【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見る豪州経済(2014年8月)  低金利政策を背景に底堅い景気が続く【デイリー】

2014年8月22日

【ポイント1】消費は底堅く推移

雇用環境は改善のペースが鈍化
■6月の小売売上高(季節調整済)は、前年同月比+5.5%と前月(同+4.9%)から上昇しました。先行きの参考となる消費者信頼感指数の上昇などから、消費は底堅い推移が見込まれます。

■7月の失業率は6.4%と前月から0.4%ポイント上昇しました。雇用環境は改善のペースに鈍化が見られ、失業率が低下へ向かうには時間がかかりそうです。ただし、企業の景況感が改善していることから、雇用環境の改善基調は継続すると見込まれます。

【ポイント2】政策金利は当面据え置きへ

物価上昇率は目標レンジ上限
■4-6月期の消費者物価指数(CPI)は、前年同期比+3.0%となり、オーストラリア準備銀行(以下、RBA)の誘導目標レンジ上限に達しました。RBAは主に輸入品の価格が過去1年程度のCPIを押し上げたと見ています。

■RBAは8月に政策金利を2.5%に据え置きました。公表した声明文では、「現行の政策は、景気とインフレの見通しに沿う」とし、現行の過去最低の政策金利の維持を示唆しました。

【今後の展開】景気は消費に支えられ底堅く推移、物価上昇率は緩やかな低下見込み

■GDP成長率は、低金利による住宅投資の拡大や、住宅価格と株価の上昇を背景とした個人消費の増加に支えられ、年率+3%前後で推移しそうです。

■RBAは、今後2年間の物価上昇率が年+2~3%の目標と合致するとの見方を示しています。物価上昇率は、賃金上昇率の低下などから、緩やかな低下が見込まれます。

■RBAは、企業が需要の強さを確認するまで設備投資を本格化しないと見ています。景気回復の本格化を前に利上げの必要性は小さく、また、物価上昇率が誘導目標の上限にあることから利下げも難しいと見られ、政策金利は、当面据え置きが見込まれます。

関連マーケットレポート