オーストラリアの金融政策(2014年8月) 11会合連続で政策金利を据え置き【デイリー】
2014年8月5日
【ポイント1】過去最低の2.5%で据え置き
市場予想通りの決定
■オーストラリア準備銀行(以下、RBA)は5日、政策金利を2.5%に据え置くことを発表しました。
■公表した声明文では、「現行の政策は、景気とインフレの見通しに沿う」とし、低金利政策の継続を示唆しました。また、今後2年間の物価上昇率は年+2~3%の目標と合致するとの見方が示されました。

【ポイント2】景気は底堅く推移
物価上昇率は落ち着く見通し
■RBAは、今年の成長率は中長期的なトレンド(過去10年間の平均は3%程度)をやや下回るものの、景気は底堅く推移すると見ています。
■消費者物価指数の上昇率は足元でやや加速しているものの、賃金上昇率の低下などから、今年後半以降は落ち着いた推移が見込まれます。
■住宅市場の堅調さが景気を支えています。雇用環境は、雇用者数の増加などから緩やかな改善が見られます。輸出は、資源価格が下落基調にあるなど、先行きに不透明感があります。

【今後の展開】景気の底堅さと主要国との金利差に支えられ、豪ドルは底堅い見込み
■設備投資の回復が本格化していないことなどが景気の抑制要因です。一方、物価は目標の上限に近いことから、RBAは政策金利を当面据え置きそうです。
■債券市場では、相対的に高い金利水準や信用力が豪州債券への需要を支え、債券価格は今後も底堅く推移しそうです。
■為替市場では、景気の底堅さや主要国との金利差などが豪ドルの上昇要因となる見込みです。対円では日銀の強力な金融緩和策を背景に底堅く推移しそうです。
■中長期では、相対的に高い金利水準、豪州債券の高い信用力、中国景気の高めの成長などが下支え要因となり、豪ドルの底堅さは維持されそうです。