【デイリー No.1,919】インド株式市場の見通し ~新政権下での経済成長押し上げがプラス要因~
2014年7月23日
<ポイント>
・インドの株式市場は2014年に入り上昇傾向を強めています。インド株式ファンドへ向かう世界の投信マネーは、3月以降流入超過傾向に転じ中央銀行改革や経済の底上げ期待から流入超過が持続しそうです。
・新政権による経済政策が奏功する場合には、経済成長率の加速と企業業績の拡大が見込まれます。
・インド株式市場は、景気と企業業績の拡大に支えられて底堅く推移しそうです。
1.ファンドへの資金フローは流入傾向
インドの株式市場は、2014年に入り上昇傾向を強めています。経常収支とインフレが悪化する懸念が後退したことや、10年振りとなる政権交代などが要因と見られます。
米国の民間調査会社EPFRグローバルの集計によると、インド株に投資するファンドへの資金は、今年3月以降、流入超過傾向へ転じました。中央銀行改革や政権交代による経済の底上げ期待から、流入超過が持続しそうです。

2.企業利益は拡大の見込み
新政権による経済政策は、これまで課題とされてきたインフラ整備と製造業の発展や、資本市場の活性化などの金融セクター改革が強化されたことから、中長期的な成長率の押し上げ要因と見られます。
足元の景況感をHSBC・マークイット購買担当者景況感指数(PMI)で見ると、製造業の改善傾向に加え、全体の約60%を占めるサービス業で特に大きな改善が見られます。引き続き経済政策の実現や、インフレ率の低下により資金調達面での改善が期待されることなどから、企業利益は拡大しそうです。

3.今後の市場見通し
株価は、経済成長率の加速や企業業績の拡大が見込まれることから、底堅く推移しそうです。