【デイリー No.1,911】インド政府が2014年度予算案を発表
2014年7月11日
<ポイント>
・インド政府は、政権交代後初めてとなる2014年度の連邦政府予算案を発表しました。
・予算案は、インフラ整備などによる経済成長と財政健全化を目指す内容となりました。
・予算案の実現により中長期的な経済成長率の上昇が期待されます。財政健全化による国債の信用力の高まりは、ルピーの下支え要因となりそうです。
1.政権交代後初の予算案
インド政府は10日、2014年度(2014年4月~2015年3月)の連邦政府予算案を発表しました。政権交代後、初めての予算案となることから、今後の経済成長や経済政策の方向性を見る上で注目されていました。
2.経済成長と財政健全化を目標
発表された予算案では、道路や鉄道関連支出など、インフラ整備向けの支出に重点が置かれました。14年度の経済成長率は前年度比+5.4~5.9%と予測され、16年度以降に同+7~8%の経済成長の実現を目指すとされました。
財政収支は14年度が対GDP比4.1%の赤字見込みとされ、16年度の同3.0%に向けて低下させる方針です。政府は、今後の財政健全化を、主に税収増と、補助金支出の見直しにより目指すとしています。食糧、燃料などへの補助金支出は、財政負担に加え需要を拡大させることで経常収支やインフレへの懸念を高めることから、今後の政府の取り組みが注目されます。
また、将来のビジョンとして、財政健全化、物価の安定、金融セクター改革、インフラ整備、製造業の育成などから構成される10項目が示されました。

3.今後の見通し
これまで課題とされてきたインフラ整備や製造業の発展を目指す内容となったことなどから、中長期的な経済の成長期待を高めそうです。
また、財政健全化は、景気抑制的な影響はあるものの、国債の信用力を高めることから、ルピーの下支え要因となりそうです。