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【デイリー No.1,881】インドの金融政策(6月) ~政策金利を据え置き~

2014年6月4日

<ポイント>
●インド準備銀行(以下、RBI)は3日、政策金利(レポ金利)を8.0%に据え置くことを決定しました。
●RBIは、物価上昇率には落ち着きが見られるとしたことなどから、政策金利を当面据え置く見込みです。
●RBIの金融制度改革や景気の持ち直し期待などは、インドルピーの支援材料になりそうです。

1.市場予想通りに政策金利を据え置き

 RBIは3日、政策金利(レポ金利)を8.0%に据え置くことを決定しました。今年1月の会合で利上げが実施されて以降、4月に続き2会合連続で据え置きとなりました。ブルームバーグがまとめた事前予想では38名のエコノミスト全員が据え置きを予想していました。

2.物価上昇率に落ち着き

 RBIは声明で、足元の物価を押し上げている食品価格の上昇は季節要因によるとし、食品以外の価格は落ち着いているとの見方を示しました。RBIは、政府による食品価格抑制への取り組みで食品価格が落ち着くことや、最近のルピー高による物価安定化が見込まれることなどから、消費者物価指数は、RBIが目標とする年+8.0%(2015年1月まで)に向かっているとの見方を維持しています。

3.今後の市場見通し

 RBIは、今後も物価上昇率が目標に沿って落ちついていく場合には利上げは当面予想されないとの考えを示していることから、市場での利上げ観測は後退しています。また、今回の声明で、ルピーの金融派生商品に関する内外投資家への規制緩和策の詳細を今後明らかにすると言及しました。こうしたRBIの積極的な金融制度改革姿勢に加え、10年ぶりの政権交代が実現したことによる経済構造改革や、景気の持ち直し期待は、ルピーの支援材料になりそうです。

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