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【デイリー No.1,873】トルコの金融政策(5月) ~1週間物レポ金利を0.5%引き下げ~

2014年5月23日

<ポイント>
●トルコ中央銀行(以下、中銀)は22日、1週間物レポ金利を0.5%引き下げ、9.5%とすることを決定しました。
●中銀はインフレ抑制のため、現行の金融引き締めスタンスを当面維持する見込みです。ただし、トルコリラや金融市場などの動向を見極めながら、各種政策金利を引き下げ方向で調整する可能性もあります。

1.市場予想に反し、1週間物レポ金利を引き下げ

 中銀は22日に金融政策委員会を開催し、主要な政策金利である1週間物レポ金利を0.5%引き下げ、9.5%とすることを決定しました。一方、金利誘導目標レンジの上限金利(12.0%)、下限金利(8.0%)はいずれも据え置かれました。ブルームバーグの事前調査によると、1週間物レポ金利については15名のエコノミストのうち13名が据え置きを予想(2名が0.5%の利下げを予想)していました。

2.市場の安定化を受けて、政策金利の水準を調整

 今回の決定について中銀は、最近になって市場の不確実性が低下し、市場金利が低下したことに対応したと説明しました。
 トルコの各種政策金利は1月下旬、アルゼンチンペソの大幅な下落をきっかけとしたリラの急落を抑制する目的などから大幅に引き上げられていました。その後、利上げの効果や、3月の統一地方選挙での与党公正発展党(AKP)の勝利などを受けて、リラは米ドルなど主要通貨に対して上昇傾向となっています。また、4月下旬まで2桁台の水準にあった10年国債の利回りは、最近1カ月程度9%台で推移しています。中銀はこうした市場の落ち着きを受けて、市場の安定化を狙った臨時措置としての政策金利の水準を調整したと思われます。

3.今後の市場見通し

 中銀は政策金利の引き下げ後も、金融政策は引き締めスタンスにあることを強調しました。また、これまでと同様に、物価見通しが顕著に改善するまで、そのスタンスを続ける考えも示しました。
 4月の消費者物価指数が前年同月比+9.38%と中銀の中長期的な物価目標(年+5.00%)を大きく上回っていることなどから、中銀はインフレ抑制のため現行の金融引き締めスタンスを当面維持する見込みです。ただし、中銀はリラや金融市場などの動向を見極めながら、1月に大幅に引き上げた各種政策金利の水準を引き下げ方向で調整する可能性もあります。

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