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【デイリー No.1,853】トルコの金融政策(4月) ~3会合連続で主要な政策金利を据え置き~

2014年4月25日

<ポイント>
●トルコ中央銀行(以下、中銀)は24日、2月と3月の会合に続き、主要な政策金利の据え置きを決定しました。
●中銀は、インフレ見通しが大きく改善するまで、現行の金融引き締め姿勢を維持する方針です。
●他国と比較して高い金利水準や、経常収支の改善期待は中長期的なリラの下支え要因になりそうです。

1.市場予想通り、主要な政策金利を据え置き

 中銀は24日に金融政策委員会を開催し、1週間物レポ金利(現行10.0%、以下同じ)、金利誘導目標レンジの上限金利(12.0%)、下限金利(8.0%)をいずれも据え置くことを決定しました。これらの金利据え置きは3会合連続で、大方の予想通りとなりました。

2.現行の金融引き締め姿勢を当面維持する方針

 今回中銀は、主要政策金利の据え置きの一方、金融機関が資金ひっ迫時などに活用する流動性窓口の貸出金利を15.0%から13.5%に引き下げました。中銀はこの決定に関し、市場参加者のリスク回避姿勢が和らいだことなどに対応した技術的な調整であるとの考えを示しました。
 中銀は前回と同様に、1月28日の臨時会合で行った大幅利上げが中期的なインフレ見通しを抑制しているとの見方を示しました。ただし、中銀が4月18日に発表した調査によると、市場関係者の12カ月後の消費者物価指数の予想は前年同月比+7.22%と、中長期的な物価目標(年+5.00%)を上回っています。中銀は、インフレ見通しが大きく改善するまで、現行の金融引き締め姿勢を維持する方針です。

3.今後の市場見通し

 中銀は、利上げなどにより内需が減速し、今後インフレ圧力は低下すると見ています。また、外需の回復により経常収支の赤字が縮小すると期待しています。他国と比較して高い金利水準や、経常収支の改善期待は中長期的なリラの下支え要因になりそうです。
 一方、3月30日の統一地方選挙で与党公正発展党(AKP)が前回を上回る得票率を獲得したことなどから、同党への支持は盤石であるとの見方が強まっています。そうしたなか、政府は中銀に利下げを通じた景気への配慮を求める姿勢を強めています。中銀は、こうした政治的圧力に応じることなく、インフレの抑制を重視して金融引き締め姿勢を維持しており、インフレの落ち着きや経常収支の改善といった政策効果が待たれる状況です。

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