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【デイリー No.1,835】インドの金融政策(4月) ~政策金利を据え置き~

2014年4月2日

<ポイント>
●インド準備銀行(以下、RBI)は1日、政策金利(レポ金利)を8.00%に据え置くことを決定しました。
●RBIは引き続きインフレを警戒しながらも、今後も物価上昇率が目標に沿って落ち着いていく続く場合には利上げは当面予想されないとしました。
●RBIの金融制度改革や景気の持ち直し期待などは、インドルピーの中長期的な支援材料になりそうです。

1.市場予想通りに政策金利を据え置き

 RBIは1日、政策金利(レポ金利)を8.00%に据え置くことを決定しました。ブルームバーグがまとめた事前予想では、39名のエコノミストのうち36名が据え置きを予想(3名が0.25%の利上げを予想)しており、大方の予想通りとなりました。

2.引き続きインフレを警戒

 RBIは1月28日の前回会合で、サービス価格や賃金の上昇などによる物価上昇圧力への警戒から政策金利を7.75%から0.25%引き上げました。
 今回RBIは、食品価格の上昇や、燃料、肥料、電力などの公定価格が引き上げられる懸念などを挙げ、2015年1月の消費者物価指数が予想の前年同月比+8.0%を上回る可能性を警戒しています。一方、昨年6月から11月にかけての物価高の反動が、今後の上昇率の低下要因になるとも見ています。RBIは引き続きインフレを警戒しながらも、短期的に物価上昇率が低下する可能性も考慮し、政策金利を据え置くことが適当と判断しました。

3.今後の市場見通し

 RBIは、消費者物価指数の目標を2015年1月に前年同月比+8.0%、2016年1月に同+6.0%、2017年1月以降は同+4.0%(許容範囲は±2.0%)としています。同指数は直近2月に同+8.10%となり、2013年11月の同+11.16%をピークとして3カ月連続で低下しています。RBIは、今後も上昇率が目標に沿って落ちついていく場合には利上げは当面予想されないとの考えを示し、市場の追加利上げ観測は後退しました。
 4月7日から5月12日にかけて総選挙が予定されており、短期的なルピーの変動要因になりそうです。他方、今回の声明文でRBIは、金融政策の目標設定など昨年10月の会合で示したさまざまな金融制度改革について、着実に取り組みを進めていることも強調しました。こうしたRBIの積極的な改革姿勢に加え、インフレの落ち着きなどを背景とした景気の持ち直し期待などは、ルピーの中長期的な支援材料になりそうです。

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