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【デイリー No.1,827】トルコの金融政策(3月) ~2会合連続で各種政策金利を据え置き~

2014年3月19日

<ポイント>
●トルコ中央銀行(以下、中銀)は18日、2月の会合に引き続き各種政策金利の据え置きを決定しました。
●中銀は、現行の引き締め策を維持することでインフレ見通しのさらなる改善を待つ姿勢です。
●経常収支の改善期待や、海外と比較して高い金利水準は中長期的なリラの下支え要因になると見られます。一方、3月30日に統一地方選挙を控え、政治の混迷によるリラへの下押し圧力には注意する必要があります。

1.市場予想通り、各種政策金利を据え置き

 中銀は18日に金融政策委員会を開催し、1週間物レポ金利(現行10.0%、以下同じ)、金利誘導目標レンジの上限金利(12.0%)、下限金利(8.0%)をいずれも据え置くことを決定しました。金利据え置きは2月の会合から2会合連続です。ブルームバーグがまとめた事前予想では、調査対象のエコノミスト全員が据え置きを予想していました。

2.現行の金融引き締め策を当面維持する姿勢

 中銀は、1月28日の臨時会合で行った大幅利上げが中期的なインフレ見通しを抑制しているとの見方を示しました。
 ただし、中銀が3月14日に発表した調査によると、市場関係者の12カ月後の消費者物価指数の予想は前年同月比+7.31%と、中銀の中長期的な物価目標(年+5.00%)を上回っています。中銀は、現行の引き締め策を維持することでインフレ見通しのさらなる改善を待つ姿勢です。

3.今後の市場見通し

 中銀は、利上げなどにより内需が減速し、今後インフレ圧力は低下すると見ています。また、外需の回復により経常収支の赤字が縮小すると期待しています。経常収支の改善期待や、海外と比較して高い金利水準は中長期的なリラの下支え要因になると見られます。
 一方、3月30日に統一地方選挙が行われる予定であり、政治の混迷によりリラに下押し圧力がかかる可能性があります。リラが大きく下落する場合にはインフレ見通しが上振れし、政策金利をさらに引き上げる必要が生じるとの見方もあります。リラの短期的な動向や今後の金融政策を見極める上でも、政治情勢を注視する必要があります。

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