ホームマーケット日々のマーケットレポート米国大統領選挙年に強い米国小型株 S&P500種指数のリターンを上回る米国小型株

米国大統領選挙年に強い米国小型株

S&P500種指数のリターンを上回る米国小型株

2024年2月2日

【ポイント1】いよいよ始まった米国大統領選挙年

■2024年11月5日に米国で大統領・議会選挙が行われます。いよいよ選挙イヤーが始まりました。

1月15日共和党第1戦はトランプ前大統領の

勝利

■共和党の第1戦となった1月15日のアイオワ州党員集会では、事前予想以上にトランプ前大統領(以下トランプ氏)が圧勝し、その強さを内外に見せつけました。

 

1月23日共和党第2戦もトランプ氏の勝利

■1月23日はニューハンプシャー州で共和党と民主党の両党で予備選挙が行われました。共和党陣営では第2戦となりました。第1戦後に、デサンティス・フロリダ州知事やラマスワミ氏が撤退を表明したことから、対立候補者はヘイリー元国連大使(以下ヘイリー氏)のみ、となりました。得票率は、トランプ氏が54.1%、ヘイリー氏が43.8%と、トランプ氏の勝利でした。2月8日のネバダ州に続き、24日に行われるヘイリー氏自身が州知事を務めたサウスカロライナ州予備選挙での挽回が必要となり、3月5日のスーパーチューズデーを待たずして共和党の予備選挙は事実上、終了してしまう可能性もあるとみられます。

 

1月23日民主党第1戦はバイデン大統領の勝利

■一方、民主党は、バイデン大統領が再選を目指すと表明しており、また、有力な対立候補者がいない状況での予備選挙となりました。ニューハンプシャー州の予備選挙では、バイデン大統領が67.4%の得票を得ており、勝利を収めました。

【ポイント2】米国大統領選挙年に強い米国小型株

■大統領選挙年は経済政策が重要なテーマの1つとなります。2016年の大統領選挙ではトランプ氏が法人税率やキャピタルゲイン税率の引き下げなどの大型減税、雇用創出のためのインフラ投資の強化、財政再建などを主張しました。一連の経済対策は米国の競争力を取り戻すものとして、株式市場では好感されました。


■2020年の大統領選挙ではトランプ氏(当時大統領)は引き続き減税を主張、一方のバイデン氏は増税を主張しました。また、産業政策ではトランプ氏がエネルギー業界や銀行業界の規制緩和を主張したのに対して、バイデン氏は同業界の規制強化を主張しました。米国株式市場はこうした政策の違いに一喜一憂することになりました。


■経済政策が注目される大統領選挙ですが、1980年以降11回の大統領選挙を調べると、米国小型株のリターンは平均で+9.8%、勝率は73%です。また、82%の勝率でS&P500種指数を上回りました。両党が打ち出す経済政策は、内需企業が多く、景気動向に敏感な小型株に有利に作用することが多いようです。

 

 

チーフストラテジスト
石山仁(いしやま ひとし)

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