■4月8日には、2期10年を務めた黒田日銀総裁が任期満了を迎え、植田新総裁が就任します。また、27日、28日には植田新総裁となってから初めての金融政策決定会合が開催されます。市場では長短金利操作（イールドカーブ・コントロール）の上限を引き上げるとの見方もあり、その行方に注目です。

■このほか日本では、3日に日銀短観が発表されます。日本経済は、海外景気が減速する中で輸出や生産に弱さは見られますが、内需は底堅いと見られています。今回の日銀短観の調査期間直前にピークを迎えていた今年の春闘では、昨今のインフレ等を背景に賃上げムードが高まり、昨年を上回る賃上げが実現する見込みとなりました。こうした中、企業の景況判断や、今後の設備投資計画などが注目されます。

■4月は米連邦公開市場委員会（FOMC）の開催予定はありません。ただ、欧米金融機関の信用不安の最中に行われた3月のFOMCでは、インフレ抑制を優先する形で0.25％の利上げが行われ、4月12日にはその際の議事要旨が公表されます。また、27日には1-3月期の米GDP成長率が発表されます。継続的な金融引き締めにより、インフレの上昇率が徐々に減速してきている中でも、雇用情勢は依然堅調さを維持しており、足元の米国経済の実勢をこうした経済指標で確認する必要があるでしょう。