FRBはFOMCでテーパリング開始を発表
雇用の回復ペースと物価の高止まり解消時期に注目へ
2021年11月4日
【ポイント1】FRBはテーパリングを開始
■米連邦準備制度理事会(FRB)は11月2日、3日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標レンジを0.00~0.25%に据え置きました。
■債券購入プログラムについては、米国債で毎月100億ドル、住宅ローン担保証券で毎月50億ドルの買入れ縮小(テーパリング)を決定しています。FRBは経済が目標に向けてさらに著しく進展したと評価しています。
【ポイント2】利上げには慎重姿勢
■パウエル議長は会合後の記者会見で、毎月同じペースで買入れの縮小を行い、2022年の半ばにテーパリングを終了する意向を示しました。
■一方、テーパリング開始の決定は金利に関して何の示唆も与えるものではないともしており、利上げへの慎重姿勢を示しています。
【今後の展開】雇用と物価に注目へ
■3日の米国市場では、株式市場は主要指数がそろって過去最高値を更新し、債券利回りも上昇しました。テーパリングが開始されることは市場の想定通りでしたが、利上げへの慎重姿勢が意識されたことや、経済指標が良好だったこともあってリスク選好的な動きとなりました。
■テーパリングが開始されたことで今後の金融政策の焦点は利上げ時期に移ります。パウエル議長は会見で、雇用者数と労働参加率の両面において最大雇用に達しているとは言えないと述べましたが、2022年後半にも達成できる可能性を示しました。また、一過性と考えられているインフレの高止まりが長引いていることについても、供給制約が解消する時期は見通しづらいとしています。利上げのタイミングを見通す上でも、雇用の回復ペースと、物価の高止まりが解消する時期に注目が集まります。
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