バイデン新大統領の下、景気回復を確かなものに
米雇用統計は改善継続も、課題を抱える(2020年10月)

2020年11月9日

【ポイント1】次期米大統領バイデン氏の課題

■11月3日に行われた大統領選挙の投票日から4日後の11月7日、米国のメディアは一斉にバイデン候補が勝利に必要な選挙人を獲得したと報じました。

■米国では投票日からバイデン候補の当選が確実になった7日までの間に、金融市場が注目する米連邦公開市場委員会(FOMC)と雇用統計の発表がありました。いずれも、米国経済が抱える問題を浮き彫りにしていて、すなわちバイデン新大統領の課題となります。

【ポイント2】雇用統計と金融政策から見る米国経済の改善点

■まず、雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比63.8万人増と事前予想を上回り、一見、米国経済は順調な回復をたどっているように思われます。但し、失業率は依然として6.9%と極めて高く、労働参加率の改善は遅れており、特に若年層、女性、ヒスパニック・黒人等で労働市場への戻りの遅れが目立っています。

■次に、金融政策は、現状の大規模金融緩和が維持されました。すなわち政策金利は実質的なゼロ金利で、同時に大規模な国債などの資産買い入れを継続することとなります。リーマンショック後にも同様の金融政策が取られ、景気回復には一定の効果がありましたが、金融資産を多く保有する資産家により有利な政策との見方があります。

【今後の展開】新型コロナの感染を抑制し、しっかりとした景気回復を待つ

■現在の景気の弱さは新型コロナウイルスの感染拡大によって引き起こされたものです。感染を落ち着かせない限り大規模な金融財政政策を打っても、経済全般の回復にはつながりません。ワクチンや治療薬の開発を急ぐとともに、マスクの着用や密集の回避などの基本的な感染予防策を一層普及させ、一刻も早い景気の立ち直りと幅広い雇用の回復を図ることが期待されます。

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