世界経済の正常化期待から上昇する日本株式市場
今後は政策運営いかんで振れの大きな展開か

2020年9月1日

【ポイント1】8月は総じて堅調

好調な米国株式市場を反映

■8月の日本株式市場はTOPIXが前月比+8.2%と3カ月ぶりの上昇となりました。日経平均株価も同+6.6%でした。米国株式市場が4-6月期の大手ハイテク企業の業績が好調であったことなどから堅調に推移したことが背景です。8月28日は安倍首相が辞任する意向を表明したことから、日経平均株価は前日比▲326.21円となりましたが、31日には現政権の基本方針は継続されるとの期待から、同+257.11円となりました。

【ポイント2】バリュー株が相対的に良好

「空運」、「鉄鋼」、「陸運」などが好調

■米国株式市場がハイテク主導で上昇しているのに対して、日本は景気動向に敏感なセクターを中心に堅調でした。中でも、「空運」が同+22.5%、「鉄鋼」が同+17.7%、「陸運」が同+17.4%など、高い上昇率でした。日本株式市場は、ワクチンの開発が進展することで世界経済全体が正常化することへの期待を背景に、出遅れ感の強かったセクターの上昇が目立ちました。

■TOPIXをスタイル別にみると、3月以降、バリュー指数はグロース指数をアンダーパフォームしていましたが、8月はバリュー指数が同+10.0%、グロース指数が同+6.7%とバリュー指数がグロース指数を上回りました。

【今後の展開】堅調な米株が支え。ただ、政策運営いかんで振れの大きな展開か

 ■市場は安倍首相の辞任を一旦織り込みました。今後の市場の注目点は誰が新総裁になるかに加え、就任後の政策運営です。引き続き、新型コロナウイルスの感染抑制と経済正常化の両立を進めなくてはなりません。安倍政権の基本方針を継続するとしても、全く同じわけではなく、その違いについてもいずれ市場は見極める必要があります。

■外交では、米中対立は経済分野のみならず安全保障の面にも影響が及ぶため、11月の米国大統領選挙後には改めて日米の連携強化が課題になります。また、来年9月末で自民党総裁は任期が満了となり、10月には衆議院議員の任期も満了となります。新政権は極めて限られた時間で一定の成果を出せなければ、支持率の低下を招きかねません。堅調な米経済と米株式市場が支えになると期待されますが、今後の政策運営いかんでは日本株式市場は振れの大きな展開になると考えられます。

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