アジア・オセアニアのリート市場は新型コロナ収束期待で反発
収束の先行きは不透明、時間をかけて本格回復へ

2020年5月13日

【ポイント1】アジア・オセアニアリートは反発

感染拡大は落ち着きを示す

■アジア・オセアニアのリート市場は3月に大きく下落した後、反発傾向にあります。5月11日現在で、アジア・パシフィック・リート指数(除く日本、現地通貨ベース)は3月末比+10.5%、香港は同+4.3%、シンガポールは同+8.5%、オーストラリアは同+15.6%となりました。新型コロナ感染拡大が鈍化してきたことや、一部の国で経済活動の再開に向けロックダウン(都市封鎖)の解除などの動きがみられはじめたためです。

■オーストラリアは大手の商業施設リートを中心に力強く反発しました。シンガポールは、世界的に物流需要の高まりが意識される中、産業施設に投資するリートを中心に強く選好され上昇しました。

【ポイント2】物流施設、データセンターは堅調保つ、商業・レジャーは下落

■セクター別の傾向を見ますと、行動規制の影響を受けやすい商業施設やレジャー施設を運営するリートを中心に業績計画の撤回が相次ぎ、先行きに不透明感があります。他方、世界的な需要の強さで注目度が上がる物流施設やデータセンターのリートのパフォーマンスは比較的堅調を保っています。今後、銘柄によっては財務強化の動きも想定され、財務健全性の高いリートと低いリートでも選別が進むことが考えられます。

【今後の展開】感染状況の不透明感があり、時間をかけて本格回復へ

■アジア・オセアニアリート市場はもみ合う展開が続くとみられます。目下、経済活動の再開が模索され始めたことで、世界的に投資家のセンチメントが改善しつつあります。アジア・オセアニアリート市場も、同様の展開となっています。一方、新型コロナ感染拡大の長期化や第二波の波及によって再度調整する可能性もあります。オーストラリア準備銀行が5月8日に発表した経済見通しによれば、オーストラリアの20年の実質GDP成長率は前年比マイナスとなります。年後半から回復し始めますが、プラス成長は21年になるとされています。弊社ではシンガポール、香港でも同様の回復を予想しています。

■今後の経済活動やリート市場の動向は、新型コロナの感染状況などの不確定要素をはらんでおり、投資家心理は依然変動しやすい状況とみられるため注意が必要です。

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