米雇用統計、失業率は14%、雇用者数は2050万人減
雇用の悪化が続けばバイデン氏への追い風も

2020年5月11日

【ポイント1】失業率は14.7%上昇

米雇用者数は2,050万人減

■米労働省が5月8日に発表した20年4月の雇用統計によれば、失業率が14.7%と、前月(4.4%)から10.3%ポイントの急激な上昇となり、戦後最悪の水準となりました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う都市封鎖により、経済活動が概ね停止した影響を受け、季節調整済みデータがある1948年以来の最高に急上昇しました。また、4月の米非農業部門雇用者数は前月比2,050万人減と、前月の同87万人減から過去に例のない悪化となりました。

■ただし、失業率や雇用者数の悪化は事前の市場予想に対しては、やや下回りました。

【ポイント2】失業率の実態はさらに厳しい

■4月の失業率は14.7%となりましたが、実態はさらに厳しいと考えられます。それは、無給状態にある失業者の多くが、「就業中ながら何かしらの理由により労働していない」と回答した模様で、こうした人達は失業率に加算されていないからです。彼らを失業者としてカウントし直すと、失業率は19.5%であったと労働省は発表しています。

【今後の展開】雇用の悪化が続けばバイデン氏への追い風も

■8日の米国株式市場は、雇用統計が市場予想ほど悪化しなかったことや、米国の多くの州で経済活動の制限が緩和され経済が最悪期を脱するとの期待に加えて、新型コロナウイルスの発生源を巡る米中対立がやや後退したことが好感され、大幅に上昇しました。

■ただ、4月の雇用統計の失業率や労働参加率の変化をみると、黒人、ヒスパニック、女性、若年層に悪化が集中している点に注意が必要とみられます。こうした人たちの苦境が長引く場合、11月の大統領選挙ではバイデン民主党に追い風が吹くことになる可能性があり、今後の雇用動向が注目されます。

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