セクター間で格差が広がるアジア株式市場
半導体サイクルの底入れと「一般消費財」の改善に期待

2019年7月18日

【ポイント1】足元は上値の重い展開

予想株価収益率は13倍台へ

■アジア株式市場は、米中貿易摩擦の懸念拡大から5月に調整色を強めました。その後は、6月末の20カ国・地域首脳会議(G20)で米中首脳会談が開催され、米中交渉が再開されるとの期待から値を戻しました。足元では、米中交渉が進展する見込みが薄らぐ中、上値の重い展開となっています。アジア株価指数の12カ月先予想株価収益率は7月16日に13.2倍と2006年以降の平均である12.3倍を上回っています(アジア株価指数はMSCI AC アジア(除く日本))。 

【ポイント2】「情報技術」が戻り基調

半導体サイクルは底入れか

■アジア株式市場は、2018年後半以降、セクター間の格差が拡大しています。特に、小売りや自動車などが含まれる「一般消費財」が大きく調整し、「電気通信」の下げが相対的に小さかったことで両セクターの格差が拡大しました。こうした中で注目されるのは、「情報技術」が値を戻し始めたことです。「情報技術」はアジア株価指数の時価総額の約17%を占めます。国・地域別に見ると、台湾が約46%、韓国が約36%を占めます(7月16日現在)。

■アジアの半導体売り上げは、2018年8月をピークに低下基調にありますが、足元で低下に歯止めがかかりはじめました。もっとも、米中貿易摩擦の先行きは依然不透明なうえ、足元では、日本が韓国向け特定品目の輸出手続きを厳格化することで韓国からの半導体の出荷が滞る可能性も懸念されており、半導体を巡る環境は予断を許しません。ただ、調整からほぼ1年が経ち、半導体サイクルが底入れする可能性は高まっていると考えられます。

【今後の展開】「一般消費財」の改善が待たれる

■今後は時価総額の約13%を占め、国別では中国が約66%を占める「一般消費財」の改善が待たれます。中国では小売売上高の伸び率が鈍化しており、消費に力強さがありません。ただ、中国は所得減税等の内需を刺激する景気対策等を行っています。年後半にかけて中国の景気が回復し、「一般消費財」の業績と株価が改善すれば、アジア株式市場も堅調さを取り戻すと期待されます。

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