業績予想が上振れる米国株式市場
米国株式市場は業績改善が下支え【デイリー】
2018年5月30日
【ポイント1】上値の重い展開が続く
割高感はない
■米国株式市場は上値の重い展開が続いています。足元では、トランプ大統領が米中通商交渉に満足していないことや米朝首脳会談の開催が不確実となったことなどが、投資家のセンチメントを後退させました。
■ただ、予想利益などは極めて好調です。米大統領選挙があった2016年の平均値よりも予想利益水準は約32%高く、予想株価収益率は16.2倍と2016年平均の16.6倍を下回っており、割高感はありません。

【ポイント2】値を戻す情報技術セクター
年初来の上昇率は+9.8%
■こうした中、年初から5月29日までの騰落率を見ると、S&P500種指数が+0.61%であるのに対して、情報技術セクターは同+9.8%と、セクター別では最も高い上昇率となっています。情報技術セクターは3月12日の史上最高値(1,233.97)近くまで値を戻していますが、上値を更新するには至っていません。

【今後の展開】業績予想の上振れが支え
■トムソン・ロイター(5月29日)によれば、S&P500採用企業の2018年予想増益率は前年比+22.0%と、4月末時点(同+20.2%)よりも上振れました。特にエネルギーセクターは4月の同+75.3%から5月は同+90.8%と大きく上振れました。他には、情報技術セクター(同+18.5%⇒同+21.6%)と一般消費財セクター(同+16.7%⇒同+19.4%)の上方修正が目立ちました。
■リビジョン・インデックスに示されるように、業績予想の上振れが続いています。トランプ大統領の保護貿易政策や、地政学リスクの高まりが引き続き懸念されますが、業績予想の上振れが米国株式市場を支えると期待されます。

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