ホームマーケット日々のマーケットレポートインドの経済・市場動向(2018年5月前半)インドルピーが弱含み、株式市場は堅調地合い続く

インドの経済・市場動向(2018年5月前半)
インドルピーが弱含み、株式市場は堅調地合い続く【デイリー】

2018年5月11日

【ポイント1】インドルピーは対米ドルで下落

対円では概ね横ばい

■インドルピー相場は、対米ドルで下落しています。米国の長期金利の上昇に伴う米ドル高により、新興国からの資本流出圧力がかかり、経常収支赤字国のインドの通貨ルピーは、アジア通貨のなかでも下げ幅が大きくなりました。最近の原油価格の上昇もインドの経常赤字拡大につながるため、通貨安要因として嫌気されています。なお、3月下旬以降は円も対米ドルで下落しているため、ルピーの対円相場は概ね横ばい圏で推移しています。

【ポイント2】株式市場は堅調な展開

3カ月ぶりの高値水準

■インド株式市場は、3月下旬の年初来安値から底入れ後、上昇基調が続いています。主要株価指数のSENSEXは約3カ月ぶりの高値水準にあります。インド株式市場は、インフレの落ち着きや鉱工業生産の上振れなどの良好な経済環境を反映し、それまでの悪材料を消化する形で株価が大きく戻る展開となりました。

【今後の展開】一段のルピー安には歯止めがかかる見通し

■インドルピー相場は対米ドルで、原油価格の上昇や内需増加による経常赤字拡大観測から、当面下落圧力をうけるものの、モンスーン(雨季)の降水量は平年並みとの予報もあり、インフレ上振れリスクは限定的とみられることや、購買力平価の観点では売られ過ぎに近いことから、下落には歯止めがかかると思われます。

■インドの株式市場は、過去最高値に接近していますが、経済改革に積極的なモディ政権の下で、景気加速に伴う企業収益の拡大基調が相場を支えると期待されます。今後はインド準備銀行の金融政策の方向性や、地方選挙を通じた与党インド人民党(BJP)に対する信任などが注目されます。

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