鉄鉱石・石炭価格の動向
中国の環境規制の影響を受ける鉄鉱石、石炭価格【デイリー】
2018年2月28日
【ポイント1】鉄鉱石価格は緩やかな上昇
原料炭、燃料炭は揉み合い
■鉄鉱石の価格は、2017年12月後半に1トン当たり70ドル台に乗せ、直近18年2月26日の同79ドルまで上昇しました。
■一方、石炭の価格は、原料炭が17年12月末の同260ドル台から1月下旬の213ドル台への下落を経て直近2月27日の235ドル台まで上昇、燃料炭は同100ドルから同109ドルの間での揉み合いとなりました。

【ポイント2】高品質の鉄鉱石需要が増大
中国政府の環境規制が影響
■鉄鉱石、石炭の大消費地である中国では、石炭消費が増える冬場に大気汚染が深刻化する北部の28都市に対して、政府が鉄鋼やアルミ等の生産を抑制するよう命じています(17年11月中旬から18年3月中旬まで)。産業合理化(過剰設備廃棄)の影響もあり、中国の鉄鋼生産量は17年夏場を境に減少傾向にあります。
■もっとも、規制解除後は、その反動で鉄鋼の生産量が増大するとの観測等もあり、鉄鉱石、原料炭の価格は堅調さを保っています。
■一方、燃料炭は、中国での天然ガス不足による需要のシフト等により価格が上昇しました。

【今後の展開】中期的には堅調な展開へ
■鉄鉱石、原料炭の価格は、短期的には政府規制の影響を受ける恐れがあります。しかし、中期的には中国の経済成長に伴い、インフラ(社会資本)整備投資の増大が見込まれるため、鉄鉱石等への需要は増加する見通しです。価格も堅調に推移すると予想され、資源国通貨である豪ドルの下支えとなると考えられます。
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