今年も注目、『ジャクソンホール』経済会議 【キーワード】
2017年8月23日
<今日のキーワード>
米国地区連銀のひとつであるカンザスシティ地区連銀は、毎年8月下旬にワイオミング州『ジャクソンホール』において、経済政策に関する国際シンポジウムを開催しています。世界各国から中央銀行総裁、政策担当者、学者などが参集し、世界経済や金融政策を巡る議論を交わします。今年の会議は「グローバル経済のダイナミズムを促進する」をテーマとし、イエレンFRB議長のほか、ドラギECB総裁も3年ぶりに参加する予定です。
【ポイント1】今年のテーマは「グローバル経済のダイナミズムを促進する」
イエレンFRB議長とドラギECB総裁が講演を予定
■カンザスシティ地区連銀は、現地時間8月24日~26日の間、毎年恒例の経済シンポジウムを米国のワイオミング州『ジャクソンホール』で開催する予定です。今年のテーマは、「グローバル経済のダイナミズムを促進する」です。
■今年の会合では、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長のほか、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁も3年振りに参加の予定です。
【ポイント2】イエレンFRB議長の講演テーマは「金融の安定」
ドラギ総裁は経済成長について講演の見込み
■イエレン議長の講演テーマは、「金融の安定」です。これは最近、開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、インフレと並ぶ金融政策の決定要因のひとつとして言及されています。イエレン議長が、どのような考えを示すのか注目されます。
■一方、ドラギ総裁の講演は、グローバル経済の力強い成長を促進するという今年のシンポジウムのテーマに焦点を当てる見込みです。ロイター通信が伝えたように、『ジャクソンホール』会議で、金融政策に関する新たな声明を打ち出すことはない模様です。

【今後の展開】欧米と日本の金融政策の方向性の違いは円安を促す要因になろう
■FRBもECBも、金融緩和の解除をどのように進めていくかが、当面の市場での関心事です。ただ、今回の会議で、解除の方向性が変わるようなコメントは出ないと見られます。
■金融緩和の解除に向かう欧州、米国と、緩和維持の日銀という金融政策の方向性の違いは、続くと予想され、これは円安を促す要因となる見通しです。