緩やかに改善する「パートタイマー」比率(米国) 【キーワード】

2017年3月28日

<今日のキーワード>
米国では、週平均の労働時間が34時間以下の労働者を「パートタイマー」と呼びます。「パートタイマー」は経済的理由によるものと、それ以外の理由によるものとに分類されます。前者は、企業都合による労働時間の削減やフルタイムの求人が見つからず、不本意ながらパート労働に従事する労働者のことを指します。これを就業者全体で割ったものが「パートタイマー」比率であり、同比率が低いほど労働需給は逼迫していると見なせます。

【ポイント1】失業率は完全雇用の水準まで低下

完全雇用を達成したかのように見えるが・・・

■米国の失業率は、2009年10月の10.0%をピークに、直近2月の4.7%まで低下しました。米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者による失業率の長期予測値が4.7%であることを踏まえると、米国の労働市場はほぼ完全雇用の水準に到達したように見えます。

【ポイント2】「パートタイマー」比率は依然として高い

失業率の低下ほど改善していない

■もっとも、就業者の内容を見ると、「パートタイマー」(週平均労働時間が34時間以下の労働者)のうち、雇用情勢が芳しくないなど経済的な理由からパートタイムを余儀なくされている労働者の割合が直近2月時点で3.74%もあります。

■直近のピークだった2010年3月の6.7%からは明らかに改善していますが、前回の景気拡大局面におけるピークの3.55%(2003年9月)よりも高い水準に止まっています。米国の企業が、景気の先行きに対して依然、不透明感を抱いている可能性を示唆するものと考えられます。

【今後の展開】利上げは緩やかなペースとなる見通し

「パートタイマー」比率の改善の遅れは、賃金上昇率がなかなか加速しないことの一因になっている公算もあります。言い換えれば、米国の労働市場は失業率の水準が示唆するほど需給が逼迫していない可能性もあると考えられます。

賃金の上昇が緩やかであれば、物価も安定的に推移すると予想されます。3月のFOMC後の米連邦準備制度理事会(FRB)による先行きの見通しにも、変化はありません。利上げはゆっくりとしたペースで行われる見込みです。

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