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好調を維持する米国の「投資適格債」市場(米国) 【キーワード】

2016年9月5日

<今日のキーワード>
「投資適格債」とは、発行体の債務不履行(デフォルト)リスクが低く、信用力の高い債券のことです。格付機関は債券の元利金の支払いの確実性を評価していますが、ムーディーズ社の場合はBaa格以上、スタンダード・アンド・プアーズ社の場合はBBB格以上に格付した債券のことを「投資適格債」といいます。一方、それよりも低い格付のものを投機的格付債、あるいはハイイールド債と呼びます。

【ポイント1】良好なパフォーマンス

ハイイールド債も持ち直し

■米国「投資適格債」のトータルリターン指数は、今年に入って堅調な推移となっています。8月末までの年初来の上昇率は+7.8%となりました。より利回りの高いハイイールド債も急速に持ち直しています。

【ポイント2】世界的な不透明感が後退

発行額も高い水準

■良好なパフォーマンスの背景には、世界的に金融緩和が進み、国債金利が低下したことが挙げられます。世界経済の先行きに対する不透明感がひとまず後退したこともあり、少しでも利回りの高いものへと資金が動いているのです。

■参考までに直近の利回りを見ると、「投資適格債」が約3.3%、ハイイールド債が約6.3%、米10年国債が約1.6%となっています。

■社債の発行市場も活況を呈しています。米証券業金融市場協会(SIFMA)の統計によれば、2016年1~7月累計の発行額は社債全体で9,388億ドル、「投資適格債」は8,040億ドルと、それぞれ前年同期の1兆209億ドル、8,298億ドルには及ばないものの、高い水準を維持しています。

【今後の展開】「投資適格債」市場の好調は継続しよう

■低水準の国債利回りと景気・企業収益の拡大が「投資適格債」を含む社債市場の追い風
米国の経済は順調に成長し、企業収益は拡大する見込みです。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げも予想されますが、物価が落ち着いているため、利上げのペースは緩やかになる見通しであり、長期金利は低位で安定的に推移すると予想されます。これらを踏まえると、社債市場への資金流入は継続する見込みです。

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