米国の「全国党大会」とは?(米国) 【キーワード】
2016年7月13日
<今日のキーワード>
米国の二大政党である民主党、共和党が、大統領および副大統領の党公認候補を指名するために、4年ごとに開催するのが「全国党大会」です。党大会では、このほか党綱領の採決、党規約や全国党大会の規則の制定、全国党委員会の選出などを行います。2016年は、共和党が7月18日~21日にオハイオ州クリーブランド、民主党が同25日~28日にペンシルバニア州フィラデルフィアで開催する予定です。
【ポイント1】民主党の大統領候補はクリントン氏
共和党はトランプ氏が指名される見通し
■2016年11月8日に予定されている米大統領選挙の正式候補として、民主党ではヒラリー・クリントン前国務長官、共和党ではドナルド・トランプ氏の指名がほぼ確実となりました。
■ただし、民主党では、民主社会主義を標榜するバーニー・サンダース氏が、党大会まで予備選挙から撤退しない構えを見せています。党大会で採択される党綱領に自らの政策を反映させたいからだといわれています。
【ポイント2】民主党綱領はサンダース氏の主張を色濃く反映
共和党の綱領作成は紛糾する可能性
■実際、民主党の党綱領最終草案は、企業による市場独占の禁止、企業の海外利益に対する繰延課税の廃止、金融機関への規制強化など、企業にとって厳しい内容となっています。これは、サンダース氏が一貫して主張してきたことです。党内の支持を得るため、クリントン氏は従来考えていた以上に、サンダース氏の政策に配慮せざるを得なかったといえるでしょう。
■一方、共和党のトランプ氏は、過激な発言が災いして支持率が低下しています。党大会での党綱領作成に際しても、トランプ陣営、党主流である保守穏健派ほか、予備選からは既に撤退したものの、綱領委員会には入っているクルーズ陣営が三つ巴の闘いを演じると見られています。

【今後の展開】クリントン候補勝利の公算大
■全国党大会を控え副大統領候補を決定へ
副大統領候補としては、クリントン陣営が女性で党内のリベラル派に人気の高いウォーレン上院議員、中南米系のカストロ住宅都市開発長官、トランプ陣営ではギングリッチ元下院議長等が挙げられています。
■世論調査ではクリントン氏がリード
最新の世論調査によれば、クリントン氏の支持率がトランプ氏のそれを大きく上回っています。女性蔑視や人種差別的発言の目立つトランプ氏には敵も多く、最終的にクリントン氏が勝利するとの見方が優勢です。