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「FOMCメンバー」の顔ぶれ(米国)【キーワード】

2015年5月22日

<今日のキーワード>
米国の連邦準備制度は1913年の連邦準備法によって設立された中央銀行制度です。その最高意思決定機関が連邦準備制度理事会(FRB)であり、7名の理事(うち議長と副議長が各1名)で構成され、その下に12の地区連邦準備銀行(地区連銀)が位置します。金融政策の決定に関する議論は連邦公開市場委員会(FOMC)で行われ、7名の理事と12名の地区連銀総裁がメンバーです。

【ポイント1】投票権を持つFOMCメンバーは12名

7名の理事と5名の地区連銀総裁
■FOMCで金融政策の決定に関する投票権を持つメンバーは、19名のうち7名の理事と5名の地区連銀総裁の計12名です。理事とニューヨーク地区連銀総裁は常任メンバーで、残りの4名の席は11名の地区連銀総裁が輪番制で1年間担当します。

■2015年に投票権を持つ地区連銀総裁は、シカゴ、リッチモンド、アトランタ、サンフランシスコの各地区連銀総裁です。なお現在7名の理事のうち1名は空席で、1名は上院の承認待ちとなっています。それまで当面は10名で投票が行われます。

【ポイント2】金融政策スタンスに基づく分類

ハト派とタカ派
■一般に、FOMCメンバーのうち景気を重視するハト派とみられているのが、イエレンFRB議長、シカゴ地区連銀のエバンス総裁、ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁、ボストン連銀のローゼングレン総裁などです。

■これに対し物価を重視するタカ派とみられているのが、カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁、リッチモンド地区連銀のラッカー総裁、クリーブランド地区連銀のメスター総裁、セントルイス地区連銀のブラード総裁などです。

【今後の展開】メンバーの政策スタンスから利上げは急がないという推測も可能

■メンバーのスタンスは金融政策の手掛かりに
この他、景気と物価に対して中立とみられているのが、フィッシャーFRB副議長などです。これらの区分についての明確な定義は存在しませんが、FOMCメンバーは概ねこのように分類されるケースが多いようです。各メンバーのスタンスを理解しておくことは、金融政策の方向性を読む上で1つの手掛かりとなります。

■今年はハト派や中立のメンバーが多数
昨年のFOMCはダラス連銀のフィッシャー総裁(今年3月に退任)など、タカ派とみられるメンバーが複数いましたが、今年はハト派や中立とみられるメンバーが多く投票権を有しています。そのため利上げ開始の判断については、それほど急がず慎重にタイミングを見極めるのではないかという推測ができそうです。

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