ホームマーケット日々のマーケットレポート「FOMC議事要旨」と米利上げ時期(米国)【キーワード】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

「FOMC議事要旨」と米利上げ時期(米国)【キーワード】

2015年4月10日

<今日のキーワード>
「米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨」は、FOMCから3週間後に公表されます。FOMC開催時には景気や物価、金融政策に関する判断が声明で示されますが、議事要旨はその判断に至るまでの議論が記録され、より詳細な情報を得ることができることから、市場の注目度が高い材料です。3月17日~18日に開催されたFOMCについて、4月8日に議事要旨が公表されました。

【ポイント1】利上げ開始時期について意見が分かれる

6月、年後半、来年も
■議事録によれば、数名の(several)参加者は、経済指標と先行きの見通しが6月の利上げを正当化するであろうと判断しました。

■一方、その他の参加者は、エネルギー価格の下落やドルの上昇が目先のインフレ率を押し下げるため、利上げができる環境は年後半まで整わないであろうと述べました。また2名の(a couple of)参加者は、経済見通しを踏まえれば2016 年まで金融緩和の解除は必要ないであろうと指摘しました。

【ポイント2】“合理的に確信”の詳細は示されず

雇用やエネルギー価格などを注視
■3月のFOMC声明では、労働市場が一層改善され、インフレ率が中期的に2%の目標に戻っていくと“合理的に確信”した場合、引き締めが適切になるとの見解が示されたため、議事要旨での詳細情報が期待されました。

■ただ今回は引き締めのための明確な条件などは示されず、雇用の更なる改善やエネルギー価格の安定、ドル高の一服は、いずれも物価上昇に確信を持つのに有効であるとの指摘にとどまりました。

【今後の展開】雇用や物価関連の経済指標に注目

■利上げ時期について新たな情報は得られず
3月のFOMCでは、利上げまで「忍耐強く」なれるという文言が声明から削除されるなど、ハト派的な内容が目立ちました。市場参加者の間には今回の議事要旨で利上げ開始時期について何らかの手掛かりが得られるのではないかとの期待が高まっていましたが、利上げ時期について依然見解が異なることを改めて確認する結果となりました。

■利上げの思惑に市場が大きく振れる展開に
ただ議事要旨で示された通り、雇用の更なる改善やエネルギー価格の安定、ドル高の一服は今後注目すべきポイントになると思われます。関連の経済指標や為替相場の動向をにらみつつ、利上げ開始時期を巡る思惑によって、金融市場が大きく変動する展開がしばらく続くのではないかとみられます。

関連マーケットレポート