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FOMC議事録(米国)【キーワード】

2014年8月25日

<今日のキーワード>
FOMC(連邦公開市場委員会)は、米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)が金融政策を決定する会合です。定例会合は6週ごとに年8回開かれ、議事録は3週間後に公表されます。政策を大きく変更する際は、物価の安定を目指す「タカ派」と、景気の安定を目指す「ハト派」の意見が割れやすく、議事録から詳細な情報を読み取ろうとする市場参加者の注目が集まります。

【ポイント1】7月のFOMCではタカ派の意見が増す

条件付きながら、初回利上げの前倒しに言及
■20日に公表された7月29日~30日分の「FOMC議事録」では、多くの参加者が、雇用情勢とインフレなどの改善ペースが加速した場合、「金融緩和策を現在想定しているよりも早期に取り除くことが適切となる可能性がある」との見方に賛同しました。

【ポイント2】ドル円相場が大きく反応

低金利観測は継続し、株・債券市場は安定
■今回の議事録発表の前後から、為替市場では、米ドルが対主要通貨で上昇しました。ドル円は今年2月以来、1米ドル=101円~102円台で一進一退となっていましたが、22日金曜日には、一時104円をうかがう展開となりました(15時時点)。

■8月に入り、米国では雇用情勢や住宅市場の一段の改善を示す経済指標が相次いだほか、地政学リスクへの懸念もやや緩和されました。加えて、日本やユーロ圏の景気が低迷し、追加緩和観測も浮上したため、地域間の金融政策の方向性の違いが意識され、米ドル高要因になったと思われます。

■一方、米国の金利上昇ペースは緩やかなものに留まり、景気回復に伴って企業業績の改善は持続可能との見方から、米国株は堅調に推移しました。

■債券市場では、金利低下に歯止めがかかったものの、変動幅は小幅に留まりました。

【今後の展開】雇用と物価をにらみ、慎重に利上げへ。ただし、金利上昇は緩やかに。

■利上げ時期の市場見通しは、なお前後するか
市場参加者は、FOMCメンバーから初回利上げの地ならしと見られる発言が増えるかに注目しそうです。一方、イエレン議長は当面の間、利上げ前倒し観測へのけん制を続けるものと見られます。市場の織り込みからは、初回利上げはなお2015年後半と見られていますが、今後の雇用・物価動向により、時期の見通しはなお前後しそうです。

■利上げ局面でも、金利上昇ペースは緩やか
欧州での金利低下や近年の地政学リスクの高まりを踏まえ、比較的安全かつ利回りを確保できる資産に資金が流入しやすい局面は続きそうです。また、米国の景気回復が緩やかと見込まれることなどから、今後の利上げ局面においても米国債への需要はなお強いと見られ、金利上昇ペースは緩やかに留まりそうです。

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