ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,327】「NYダウ」最高値更新、背景には底堅い企業業績(米国)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,327】「NYダウ」最高値更新、背景には底堅い企業業績(米国)

2014年5月14日

1.「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)」とは?

 「NYダウ」は米国のS&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズ社が算出する代表的な株価指数です。1896年に12銘柄で算出が開始され、1928年に30銘柄となりました。同指数には、さまざまな業種から米国を代表する企業が選ばれています。指数への採用は数値基準によってではなく、その企業が優れた評判を有し、持続的な成長を示し、多数の投資家によって保有されている場合に限るとされてます。

2.最近の動向

 13日、「NYダウ」は16,715.44ドルと、終値で過去最高値を更新しました(取引時間中最高値は16,735.51ドル)。年末年始から大規模な寒波の影響で経済活動の停滞が懸念され、2月にかけて株価は大きく下落しました。その後、ウクライナ情勢など地政学的リスクの高まりから、株価は上値を抑えられる場面もありましたが、徐々に値を上げ、最高値更新となりました。
 株価上昇の背景には、堅調な企業業績があります。前述の通り、寒波の影響により消費や生産などが滞り、企業景況感も低下するなか、2014年1-3月期の増益率は前期から大幅に低下することが想定されていました。しかし、発表された決算では、概ね底堅い業績動向がうかがわれます。

3.今後の展開

 このほか株価上昇の要因として、長期金利の低位安定が挙げられます。米国の10年国債利回りは、年末に3%超だったところから低下し、2.6~2.8%程度のレンジで推移しています。この間、FRBはQEの縮小を続け、一時、QE終了後半年程度でゼロ金利政策が解除されるとの見方も浮上しました。しかし、その後イエレンFRB議長は議会証言等で労働市場の改善の緩慢さなど景気に慎重な見方を示していることから、当面は低金利政策が維持されそうであり、市場にとってもプラスと考えられます。
 またこうした環境下、米国企業はM&A(合併・買収)を活発化させています。「NYダウ」の株価収益率(PER)は足元では15.6倍程度と、過去と比べて割高感はみられません。企業は買収対象の企業の株価を割安と捉え、投資を活発化させている側面もあると思われます。「NYダウ」は、今年・来年と昨年より増益率が加速すると見込まれています。寒波の影響からの景気の復調に加え、底堅い企業業績や企業の前向きな投資姿勢に支えられ、株価は今後も上昇傾向が見込まれます。

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