ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,306】寒波の影響が一巡し、春めく「米国経済」(米国)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,306】寒波の影響が一巡し、春めく「米国経済」(米国)

2014年4月10日

1.米国の今冬の寒波の状況は?

 北米大陸では、昨年12月以降、強い寒波の南下に見舞われました。米国政府の発表によると、シカゴで最低気温が氷点下26度を下回ったほか、ミネアポリス・セントポール国際空港では同30度を下回るなど、各地で気温が大きく低下しました。また、強風の影響により停電なども各地で発生したうえ、航空機の遅延や欠航など交通機関への影響も大きなものとなりました。

2.最近の動向

 先月発表された最新の「地区連銀経済報告書(ベージュブック)」では、12地区中8地区で景気の緩やかな拡大が報告されました。しかし、寒波の影響が見られたニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、カンザスシティの4地区では、景気は悪化・減速したと報告されました。報告書は、悪天候の影響により小売動向全般で経済活動が制限されたとしています。
 小売売上高の統計を見ると、2013年4月以降は前月比プラスで推移してきました。寒波の影響から2013年12月は前月比▲0.3%、2014年1月は同▲0.6%とマイナスに転じたものの、2月は同+0.3%と回復してきました。このほか、製造業受注の統計でも12月、1月と前月比マイナスとなった後、2月は同+1.6%とプラスに回復しました。製造業の景況感を見ると、12月、1月は前月から指数が低下しましたが、2月以降は上昇してきています。このように複数の経済指標から、米国経済は寒波の影響により年末年始にかけて景気が落ち込んだものの、徐々にその影響が一巡してきたことがうかがえます。

3.今後の展開

 様々な経済指標の中でも、最も注目度が高いのが雇用統計です。なかでも注目される非農業部門雇用者数は、12月に前月比+8.4万人と、11月の同+27.4万人から大きく減少した後、3月(同+19.2万人)にかけて増加幅が拡大してきています。足元では失業率の安定的な低下に必要とされる水準(同+15~20万人)にあり、米国経済は寒波の影響を抜け、春の訪れとともに堅調な回復基調へと戻りつつあると考えられます。雇用統計は金融政策を見るうえでも重要な経済指標ですが、将来の金融政策に関するフォワード・ガイダンスが変更された3月のFOMC議事録が日本時間の10日未明に公表されます。QEの縮小を継続するFRBは「米国経済」の今をどのように判断し、フォワード・ガイダンスの変更に至ったのか、その内容に注目です。

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