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【キーワード No.1,276】FRBはフォワード・ガイダンスを変更する見込み(米国)

2014年2月26日

1.フォワード・ガイダンスの経緯は?

 米連邦準備制度理事会(FRB)は2012年12月、将来の金融政策の方針を前もって告知する「フォワード・ガイダンス」を導入しました。景気支援などのため、インフレ率が2.5%を上回らない限り失業率が6.5%に低下するまでゼロ金利政策を続けるという内容です。しかし、その後失業率が順調に低下(今年1月6.6%)してきたこともあり、FRBは昨年12月に量的金融緩和策第3弾(QE3)の縮小を決定した際に、インフレ率が2%を下回る場合は失業率が6.5%を下回った後もゼロ金利政策を続けることが適切とガイダンスを変更しました。そのため市場では、更なるガイダンスの変更の有無などが注目されていました。

2.最近の動向 

 1月28日~29日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録では、会合の参加者は、失業率の水準などフォワード・ガイダンスの内容を近いうちに変更することが適切との考えで合意したことが示されています。
 具体的には、数人の参加者は、フォワード・ガイダンスとして引き続き数値基準を設けることを希望しました。しかし、その他の参加者は、数値基準ではなく定性的な判断基準を設けることを望むことが示されています。また何人かの参加者は、金融市場の安定へのリスクを明確に政策判断材料にすべきと提案しました。
 今後のフォワード・ガイダンスには、物価などの数値項目や定性的な基準が加わる可能性があります。

3.今後の展開

 今回の議事録では、FRBが経済成長に対するリスクとして物価上昇の鈍さを警戒していることが改めて示されました。イエレンFRB議長も2月11日の下院での議会証言などで物価動向への警戒姿勢を示しており、今後の金融政策の判断材料として、物価指標の重要度が増していると思われます。その他、議事録では労働市場のスラック(需給の緩み)について議論されており、参加者の多くは賃金の伸びの鈍さがそれを表していると見ていることから、今後の賃金動向にも注目です。
 2月27日には、イエレンFRB議長の上院での議会証言が予定されています。FOMC議事録の内容を踏まえ、質疑では今後のフォワード・ガイダンスの内容など具体的な質問も想定されます。市場への影響の大きさから、引き続き議長発言が注目されます。

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