ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,257】大規模な寒波の影響を受ける米国経済指標(米国)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,257】大規模な寒波の影響を受ける米国経済指標(米国)

2014年1月29日

1.大規模な寒波の影響は?

 米国など北米大陸では昨年12月以降、大規模な寒波による気温の大幅な低下や強風などの被害が広がっています。これは、偏西風が南に向け蛇行し易い状態にあり、北極地域からの寒気が南下したためです。この寒波により、シカゴでは1月上旬に気温が一時氷点下26度前後と、平年に比べ20度ほど低い水準に低下するなど、各地で気温が大きく低下しました。また強風などによる停電も各地で発生しました。

2.最近の動向

 大規模な寒波により、足元では米国の経済指標の悪化が目立っています。外出が制限され必需品以外の消費が鈍化したり、物流や交通、建設などが滞るためです。
 12月の非農業部門雇用者数は前月比+7.4万人と、増加幅は前月の同+24.1万人(改定値)から大きく縮小しました。堅調であった建設業や運輸業の雇用者数が寒波の影響で減少に転じたことが主因です。また、余暇・娯楽業は増加幅が縮小しました。
 その他にも12月は住宅着工件数や新築住宅販売件数が前月から大きく減少し、小売売上高の自動車・同部品は前年同月比減少に転じるなど、幅広い経済指標で寒波の影響による悪化が見られました。

3.今後の展開

 米国海洋大気庁によると、2月上旬にかけて南東部など一部を除く広範囲で平年を下回る低温が続き、北東部中心に降雨量が平年を上回る見込みです。米国の経済指標はまだ寒波の影響を受けそうです。
 ただし経済指標の基調としての改善傾向には変化はないと思われます。企業の生産活動の見通しを示すISM製造業景況感指数については、12月は新規受注指数が上昇した一方、在庫指数が低下しており、今後の生産活動の改善を示唆する結果となりました。また、自動車・同部品を除いた12月の小売売上高は市場予想を上回る伸びとなりました。雇用についても、全体の先行指標とされる人材派遣業の雇用者数は12月に増加幅が拡大しています。多くの経済指標に寒波の影響はまだ残るものの、個人消費や企業の生産活動に支えられ、米国経済の回復基調は今後も続くと見込まれます。

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