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いよいよ開催!「リオ五輪」(ブラジル) 【キーワード】

2016年8月5日

<今日のキーワード>
現地時間の今日8月5日から、いよいよリオデジャネイロでオリンピック・パラリンピック(「リオ五輪」)が開催されます(パラリンピックは9月7日から)。開催国ブラジルでは、景気後退や物価高、汚職問題等多くの課題を抱えていますが、「リオ五輪」を機に経済が活性化されるか注目されます。

【ポイント1】交通網が直前に完成するなど、ようやく開催にこぎつけた

治安の悪化が懸念され、警備は厳戒体制

■ブラジルでは「リオ五輪」開催に向けて、競技施設の建設や交通網の整備等を目玉として、多くの公共投資が行われました。競技が行われる地区を結ぶ地下鉄は財政難から工事が遅れ、先月末に開通するなど、全体としてようやく開催にこぎつけたという印象です。

■ほとんどの競技施設があるリオデジャネイロ市内では治安が過去最悪レベルにあると言われ、強盗等が多発しています。7月下旬には「リオ五輪」でのテロが計画されたとして逮捕者が出ています。出場を見合わせる選手も続出する中、テメル大統領代行は大会期間中の警備を一層強化する方針を発表しています。

【ポイント2】ブラジル経済に回復の兆し

物価高、為替下落もピークアウトか

■「リオ五輪」がなんとか開催にこぎつけたように、ブラジル経済にも回復の兆しが見えています。IMFによると、2017年には前年比+0.5%と2年連続のマイナス成長から脱することが見込まれています。消費者物価指数は今年1月の前年同月比+10.71%を直近のピークとし、6月には同+8.84%まで低下しており、市場予想では2017年末には同+5%程度まで低下する見通しです。

■また、原油を始めとする資源価格が上昇し、世界的に株価が回復していることによる投資家心理の改善等から、ブラジルレアルも過去数年の下落傾向に歯止めがかかりつつあります。

【今後の展開】五輪投資の活用と、選手の活躍が作るポジティブなムードに期待

■「リオ五輪」の経済効果を計る上で、公共投資が一服したいま、開催中は治安悪化の中でどれだけ観光客による消費を伸ばせるのか注目です。また今後は、今回建設された五輪関連施設や交通網等が、再利用され、活用されていくことが期待されます。

■なお過去の五輪では、注目度の高い競技での日本人選手の活躍が、株式市場の参加者心理を好転させる動きが見られました。遠くブラジルの地から、選手たちのポジティブなムードが日本経済にも好影響を与えることが期待されます。

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