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大統領選挙の決選投票(ブラジル)【キーワード】

2014年10月20日

<今日のキーワード>
2010年に就任した現職のルセフ大統領の任期(4年)満了を控え、大統領選挙が実施されています。10月5日に実施された第1回投票で過半数の票を獲得した候補者が出なかったことから、10月26日に決選投票が行われます。決選投票は、第1回投票で得票率トップ(41.6%)のルセフ氏と、2位(33.6%)のブラジル社会民主党(PSDB)のネーベス氏の2名の対決になります。

【ポイント1】景気の低迷が続く中、決選投票では経済政策が重要な争点に

ルセフ氏には低所得者などの根強い支持、ネーベス氏には経済政策の刷新期待
■2期目を狙うルセフ氏は、同じ労働者党(PT)出身のルーラ前大統領の政策を引き継ぎ、最低賃金の引き上げなどを通じた所得格差の縮小政策を続けており、低所得者などを中心に根強い支持があります。

■一方のネーベス氏は、物価目標の重視、税制の透明性や公平性の向上、投資増に配慮しながらの財政赤字削減などを掲げています。景気低迷のなか、経済政策の刷新期待が支持につながっています。

【ポイント2】調査ではネーベス氏が小幅にリード

両候補の勢力はほぼ互角との見方も
■15日に発表された世論調査では、ネーベス氏の支持率がルセフ氏を小幅に上回っています。現政権への批判票が集まっていることに加え、第1回投票で3位(得票率21.3%)となり、決選投票に進めなかったシルバ氏(ブラジル社会党)がネーベス氏を支持すると表明したことも背景にあります。

■ただし、この世論調査での±2%の差は誤差の範囲とされているため、両候補の勢力はほぼ互角と見られます。景気の低迷と物価高といった難しい経済情勢がルセフ氏にとって向かい風ですが、同氏は、第1回投票でシルバ氏に対する批判的なキャンペーンが奏功したこともあり、今回もメディアなどを通じた選挙戦を効果的に進めていると言われています。

【今後の展開】経済政策の刷新、政策遂行への期待はネーベス氏に有利

世論調査では10%程度の浮動票があり、投票の行方は最後まで不透明
■ネーベス氏は実力者を財務相に起用する方針
ネーベス氏は、当選した場合に財務相として元ブラジル中央銀行総裁で、インフレ・ターゲット制度導入などの実績に評価が高いフラガ氏を起用する方針です。対するルセフ氏は、マンテガ現財務相を再任させない姿勢ですが、後任を含め、経済面で目立った政策を示していない状況です。

■ルセフ氏はメディアの活用などで対抗
世論調査によると、まだ10%程度が両候補のどちらに投票するか決めていません。ルセフ氏がメディアを活用して巻き返す可能性もあり、決選投票の行方は最後までもつれそうです。

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