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メキシコのエネルギー改革(メキシコ)【キーワード】

2014年8月8日

<今日のキーワード>
メキシコは豊富な石油資源を有していますが、資源開発などを独占する国営石油公社ペメックスの事業効率の低下が長年の課題になっていました。特に近年は、同社の資金不足や技術的な制約などから深海油田などの開発が進まず、生産量は減少傾向にあります。こうした問題の抜本的な改善を目指し、政府はエネルギー政策の改革に取り組んでいます。

【ポイント1】エネルギー改革は、昨年12月に大きく前進

外資など民間資本の参入を認める
■ペニャ・二エト大統領は2012年12月に就任後、教育、金融、財政、通信など、幅広い分野で改革を進めています。一連の改革のなかでも、エネルギー改革は最も重要なものと位置付けられています。

■昨年12月、メキシコ議会は石油開発投資に外資を含む民間資本の参入を認めるなど、改革の大枠を定める法案を可決しました。議会ではその後、改革を実行するために必要な関連法案の審議が進められていました。

【ポイント2】改革実行に向けた関連法案が可決

大統領の法案承認を経て改革がスタート
■議会では、8月7日までに主な関連法案が可決されました。来週にも大統領がこれらを承認し、エネルギー改革が実際にスタートする見込みです、民間企業との原油・ガス採掘契約などの手続きは来年には始まると見られています。

■このたび可決された各種エネルギー改革関連法案は、ぺメックスに関する法案や海外からの直接投資に関する法案など、10数本の法案に分かれています。これらの法案では、民間企業の参入の方式、ペメックスとの利益配分ルール、ローカルコンテント(海外企業が参入する際、原料や部品などを一定量現地で調達するルール)などが定められているようです。

【今後の展開】経済の底上げ、財政収支・経常収支の改善などを通じたペソ高要因に

■財政収支や経常収支の改善が期待される
改革によるエネルギー生産の拡大は、メキシコ経済の底上げ要因になる見込みです。また、ペメックスが納付する税金などは、政府の歳入全体の約3分の1を占めており、税収の増加、財政収支の改善が期待されます。さらに、石油輸出の増加を通じて経常収支も改善すると思われます。

■通貨ペソの先高観が強まる要因に
エネルギー改革により、原油掘削などの事業に民間企業が参入する門戸が開かれる見込みです。実際の案件の始動は来年以降と見られていますが、海外からの投資資金の流入期待がペソ買い要因となり、ペソの先高観は強まりそうです。

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