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「夏のボーナス」、3年連続の増加(日本) 【キーワード】

2016年5月17日

<今日のキーワード>
主要企業の「夏のボーナス」の大まかな支給状況については、一般財団法人「労務行政研究所」が毎年5月中旬頃に発表する「東証第1部上場企業の夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査」で把握できます。今年は企業収益の好調さを背景に、「夏のボーナス」は3年連続の増加となりそうです。ただし、伸び率は2015年の3.0%増加からは鈍化する見込みです。

【ポイント1】「夏のボーナス」は前年比1.7%増加へ

リーマンショック以前の水準に近づくが、伸び率は鈍化へ

■「労務行政研究所」が11日に発表した東証一部上場企業126社の「夏のボーナス」は、昨年夏と比べて平均で1.7%増加の73万4,090円となる見込みです。

■増加は3年連続となり、リーマンショック直前に支給された2008年夏の水準(平均金額は74万3,380円)に近づいてきました。ちなみにリーマンショック後最低だった2009年夏の水準(同64万8,149円)からは、13.3%増加する見込みです。ただし対前年同期比伸び率では、2014年の5.7%増、2015年の3.0%から鈍化する見通しです。

【ポイント2】業種別で明暗分かれる

建設・電力好調、鉄鋼・非鉄は減少

■業種別に見ると、製造業は昨年夏に比べ1.0%増、非製造業は3.6%増と、非製造業の伸びが高くなる見込みです。製造業に関しては、昨年はほぼすべての業種で増加となりましたが、今年は市況の下落により収益が落ち込んだ、鉄鋼、非鉄などの業種ではマイナスとなる見通しです。

■逆に好調なのは、建設、電力などで、いずれも前年比で10%強の増加となる見込みです。この他で好調な業種としては、水産・食品、化学、ガラス・土石などがあげられます。

【今後の展開】今後のボーナス増加は不透明

■上場企業の会社側業績予想は減益見通し
ボーナスの増加は、今後の消費の回復に寄与する見込みですが、今後の見通しについては不透明要素が出てきています。3月決算の発表が先週までにほぼ出揃いましたが、2016年度の企業側の業績予想は、経常利益で3%程度の減益見通しとなった模様です。円高の進行が主な要因です。

■増加トレンドに変調の可能性も減少は小幅か
企業側の業績予想は、当初は慎重なものが多く、今後上方修正される可能性は残されています。ボーナスは前年の業績を基に支払われます。円高進行が止まれば、世界経済の拡大を背景に企業業績の回復を反映したボーナスの支給が見込まれ、個人消費が大きく落ち込む懸念は小さいと見られます。

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