「GW」の旅行、増加だが節約型に(日本)
2016年4月25日
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大手旅行代理店のJTBは、毎年ゴールデンウィーク(GW)を前に、「GWの旅行動向」調査結果を発表します。今年で48回目となる調査は、4月25日~5月5日の出発日に1泊以上の旅行に出かける人を対象に、人気の旅行先や支出動向などが盛り込まれています。消費者のマインドを測る指標のひとつとして有用です。今年は、カレンダーの日並びが良いこともあり、国内、海外とも堅調な見通しです。
【ポイント1】旅行人数は過去最高を連続で更新へ
海外が好調、ただし節約志向高まり金額ではマイナス
■JTBが4月5日に公表した「2016年ゴールデンウィークの旅行動向」によると、この期間の総旅行人数は前年から0.3%増加の2,396万人と、2年連続で過去最高を更新する見込みです。今年のGWは平日を2日休めば10連休、休まなくても3連休が2回という日並びの良さから、海外旅行が2.8%増の54.6万人と増加するうえ、国内旅行も2,341万人と0.2%増加する見通しです。
■国内旅行の平均費用は3万5,200円と1.7%減少、海外旅行も25万9,000円と1.5%減少する見込みです。賃金の伸びが抑えられ、経済情勢にやや不透明感があるため節約志向が高まっている模様です。
【ポイント2】国内は1泊2日の比重高まる

海外はアジア、オセアニアが人気
■国内旅行の特徴は、節約志向を反映して関東や近畿への旅行が多いようです。日数では、「1泊2日」の比率が46.7%と昨年よりも6.2ポイント上昇しています。行き先では、いずれも開業15周年を迎える東京ディズニーシー®やユニバーサル・スタジオ・ジャパン®などが注目を集めています。また、「上田城」、「姫路城」など近年「城」もブームとなっています。
■海外旅行の特徴は、日並びが良いことから、選択肢が多く多様な旅行傾向となっています。その中では、オセアニア、アジアが人気となっている模様で、ハワイの人気も底堅いようです。
【今後の展開】節約志向で自動車の利用が増加
■欧州は情勢不安で減少見込み
海外旅行では、昨年との相違点として、円高の進行と燃油サーチャージが4月以降0円となったため、消費者の旅行需要を刺激した側面がうかがえます。海外旅行の行き先では、テロ事件の発生の影響を受けて、欧州方面への旅行客が、前年比9.8%減少となる見通しです。
■ガソリン代の値下がりで自動車利用が増加
国内旅行の移動手段としては、自動車を利用する人が2.8%増加し、乗用車の利用交通機関におけるシェアは71.3%に上昇する見込みです。その分、鉄道および航空機の利用シェアが低下する見通しです。原油価格の下落と消費者の節約志向が背景にあると思われます。
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