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「外国人旅行者」、年間2,000万人へ(日本)【キーワード】

2015年10月22日

<今日のキーワード>
日本を訪れる「外国人旅行者」の数を知るには、日本政府観光局(JNTO)が発表する“訪日外客数”が参考になります。直近2カ月分は、「外国人旅行者」の多い国・地域の推計値が公表され、それ以前の分は法務省統計に基づく暫定値として公表されます。確報値は翌年に公表されます。推計値では世界18カ国・地域、暫定値では世界36カ国・地域からの「外国人旅行者」の数が把握できます。

【ポイント1】当初の政府目標を前倒しで達成

9月までの累計は1,449万人、前年比49%増
■日本政府観光局(JNTO)が21日に発表した9月の“訪日外客数”は、前年同月比+46.7%増加の161万人となりました。殆どの国からの旅行者が増加していますが、けん引しているのは引き続き中国で、伸び率では+99.6%増加、構成比では30.5%でトップです。

■政府は、当初2020年までに外国人旅行者を2,000万人に拡大する目標を掲げていましたが、早ければ今年にも達成できる見込みになってきました。政府は将来的には、3,000万人の外国人旅行者が訪れることを目指すとしています。

【ポイント2】経済効果は3.5兆円

中国人旅行客の消費がリード
■観光庁が7月に発表した訪日外国人消費動向調査によれば、訪日外国人1人当たりの旅行支出(日本国内で消費された金額で航空券などは除く)は17.7万円と前年同期比で23%増加しています。中国人は28.5万円の支出を行っています。

■仮に2,000万人の旅行客が、17.7万円の消費を行ったとすれば、経済効果は約3.5兆円となります。現実にホテルの稼働率上昇による宿泊料の上昇、観光バスの納車が1年待ち、百貨店売上高が好調、などの現象が見られます。

【今後の展開】株安、中国の成長鈍化の影響はうかがわれない

■外国人旅行者数に大きな変調はない
8月以降の世界的な株安、中国経済の減速など、外国人旅行者の増加に不安が生じましたが、9月の旅行者数に大きな影響はうかがわれません。8月の伸び率からは鈍化しましたが、10月に中国の国慶節の連休があり旅行を手控えたことが原因かもしれません。

■“おもてなし”の心が好感される
中国人旅行客の増加には、円安、今年1月からの数次ビザの発給開始に加え、日本に旅行した人たちのインターネットへの書き込みで、日本人のおもてなしの心、清潔、安全、買い物情報などが、幅広く普及してきたことも大きく影響しているようです。

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