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「企業物価指数」、4カ月連続で下落(日本)【キーワード】

2015年10月16日

<今日のキーワード>
「企業物価指数」は、日銀が毎月調査・公表する物価指数です。以前は、「卸売物価指数」が注目されていましたが、国内の流通形態などが大きく変化した結果、今日では「企業物価指数」が注目されるようになりました。具体的には、国内市場向け生産品の企業間における取引価格を表しています。内閣府の「消費者物価指数」、日銀の「企業向けサービス価格指数」と並んで、物価動向を見る上で重要な指標です。

【ポイント1】9月の企業物価指数は前年比で3.9%低下

前月比では4カ月連続で下落
■9月の「企業物価指数」は、前年比で3.9%下落の102.2ポイント(2010年平均=100)となりました。指数は昨年円安を背景に106.6とリーマンショック前の水準にまで上昇しましたが、6月以降4カ月連続で下落しています。

■中国経済の減速を背景に、原油や非鉄金属をはじめとする輸入素材品目の価格下落が物価指数を押し下げています。とりわけ9月については、原油価格下落の影響が本格化しました。

【ポイント2】電力、石油製品などが下落

資源価格の下落を反映
■9月の指数が低下した要因を品目別に見ると、最大の寄与が産業用電力代です。燃料となる液化天然ガス(LNG)や重油の価格が下落したためです。二番目は軽油、A重油などの石油製品です。三番目がベンゼン、スチレンモノマーなどの化学製品です。いずれも原油価格の下落が背景にあります。

■この他には、スクラップ類、鉄鋼、非鉄金属なども下落、逆に上昇したのは繊維製品、製材・木製品、電子部品・デバイスなどの品目に限られました。8月まで上昇していた食品関連は横ばいでした。

【今後の展開】年末までには底入れか

■資源価格が底入れ
今回の調査では、原油、鉱産物など世界的な資源価格の下落が、顕著に企業物価に反映されました。ただし、今後は原油を筆頭に資源価格が底入れから反発に転じており、企業物価指数も年末から年初にかけ底入れすると考えられます。

■中国の景気動向に注意
留意点としては世界最大の資源消費国である中国の景気動向があげられます。世界の資源価格に与える、同国のインパクトは言うまでもなく大きく、同国の経済指標、政策変化には、注意が必要です。

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