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「街角景気」、回復感じわり広がる(日本)【キーワード】

2015年6月9日

<今日のキーワード>
「景気ウォッチャー調査」は、内閣府が毎月実施する景況感に関する調査で「街角景気」調査とも呼ばれます。タクシー運転手やコンビニエンスストアの店長、レストラン経営者など、景気に敏感な約2,000人が調査対象(ウォッチャー)です。3カ月前と比べたその時点の景気と、2~3カ月先の景気予測を調査します。算出された指数から好不況を判断する際の中立水準は、50ポイントです。

【ポイント1】現状判断DIは4カ月連続で中立を上回る

急速な円安進展で企業動向が低下
■5月の「景気ウォッチャー調査」(調査期間5月25日~31日)は、「現状判断DI」が前月比▲0.3ポイントの53.3ポイントと低下しましたが、4カ月連続で中立の50ポイントを上回りました。家計動向、雇用は上昇しましたが、企業動向が低下しました。5月中旬ごろからの急速な円安の進展が影響したと見られます。

■街角の声には、「ここへきて円安傾向が進んでおり、輸入と輸出とでは反対の影響がみられるが、円安や株高はムードを良くするため、投資意欲も高まってきているように感じる(近畿の電気機械器具製造業)」といった、円安に対して前向きな声も一部で聞かれました。

【ポイント2】先行き判断DIは上昇傾向続く

ボーナスやインバウンド需要に期待の声
■2~3カ月先の見通しを示す「先行き判断DI」は前月比+0.3ポイントの54.5ポイントと6カ月連続で上昇し、5カ月連続で中立の50ポイント以上となりました。物価上昇への懸念などがみられるものの、賃上げや夏のボーナス、外国人旅行者への期待などから、家計動向、企業動向が上昇しました。

■街角の声には、「夏のボーナスが前年を上回ることや株高を背景とした資産効果もあり、インバウンド需要も引き続き見込まれるため、好調が続く(東海の百貨店)」といった消費に期待する声が聞かれました。

【今後の展開】企業収益の拡大が設備投資、消費の拡大に波及へ

■1-3月期の実質GDP成長率が上方修正
内閣府が8日に発表した2015年1-3月期の実質GDP成長率の2次速報値は、前期比年率+3.9%と1次速報値の同+2.4%から上方修正されました。企業の設備投資が上方修正されたことが主な要因です。企業収益の拡大を背景に、企業の設備投資への意欲がさらに高まることが期待されます。

■今後は内需拡大が景気をけん引
企業収益の拡大は賃上げにも波及しています。消費税増税の影響が一巡したこともあり、物価の影響を除いた4月の実質賃金は、2年ぶりに前年同月比プラスに転じました。物価上昇率に落ち着きが見られることから、実質賃金の上昇傾向は続き、消費の回復基調の強まりが期待されます。

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