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「全国百貨店売上高」、回復基調強まる(日本)【キーワード】

2015年5月21日

<今日のキーワード>
「全国百貨店売上高」は、毎月20日前後に日本百貨店協会から発表されます。全国主要10都市別、主要10都市を除く地域別に商品別の売上高が発表され、地域別の消費動向が把握できます。また、外国人旅行者への免税品売上高もあり、インバウンド消費の動向も把握できます。
2015年4月の調査対象は82社239店舗でした。

【ポイント1】4月は前年の買い控えから大幅増

5月に入っても好調
■4月の「全国百貨店売上高」は、前年同月比+13.7%(店舗数調整後、以下同じ)と大幅に伸びました。賃金の増加などで消費の基調が徐々に強まっていることに加え、昨年4月の消費税増税後の買い控えと外国人旅行者向けの増加が背景です。

■商品別では、増税による買い控えの影響が大きかった美術・宝飾・貴金属(同+77.3%)、化粧品(同+48.6%)が大きく伸びました。買い控えの影響が比較的小さかった食料品(同+2.9%)、衣料品(同+9.9%)も堅調でした。

■5月の東京地区百貨店売上高は、天候に恵まれたこともあり14日現在で前年同期比10%超の伸びとなっており、消費の回復基調が強まっています。

【ポイント2】インバウンド消費も貢献

高級ブランド品が人気
■4月の外国人旅行者への免税品売上高(昨年10月に新たに免税品となった消耗品を除く)は、前年同月比約2.7倍の約164億円となりました。全体の売上高(店舗数調整前)が13.2%伸びたうち2.5%押し上げた形です。

■外国人旅行者に人気の商品は、1位が高級ブランド品、2位が婦人服飾雑貨、3位が化粧品です。また、免税手続きカウンターへの来店者数を国別で見ると、トップは中国で、台湾、香港、タイと続きアジアが中心です。

【今後の展開】賃上げやインバウンド消費拡大が消費回復を後押し

■免税店拡大の動きが広がる
インバウンド消費の取り込みを狙い、首都圏では家電量販店や百貨店などを中心に免税店を拡大する動きが広がっています。店舗新設に加え、海外仕様の家電製品、高級ブランド、化粧品などの売場面積を広げる店舗も増え、外国人旅行者の取り込みを増やしています。

■消費マインドは上向き
昨年4月の消費税増税以降、消費回復にもたつきが見られましたが、徐々に強まっています。昨年を上回る賃上げやボーナスの増加期待などにより消費マインドが向上しています。さらにインバウンド消費の拡大も後押しすると見られ、消費の回復基調の強まりが見込まれます。

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