「GW」の旅行、景気回復じわり浸透(日本)【キーワード】
2015年4月27日
<今日のキーワード>
大手旅行代理店のJTBは、毎年ゴールデンウィーク(GW)を前に、「GWの旅行動向」調査結果を発表します。今年で47回目となる調査は、4月25日~5月5日の出発日に1泊以上の旅行に出かける人を対象に、人気の旅行先や支出動向などが盛り込まれています。消費者のマインドを測る指標のひとつとして有用です。今年は、後半の5月2日~6日に集中する短期決戦型との見方もあります。
【ポイント1】旅行人数は、2年ぶりに過去最高を更新
国内が好調、海外は円安などにより減少へ
■JTBが4月2日に公表した「2015年ゴールデンウィークの旅行動向」によると、この期間の総旅行人数は前年から2.9%増え2,386万人と、2年ぶりに過去最高を更新する見込みです。国内の景気が上向いていることを映し、国内旅行者が増加する一方、海外旅行者は、円安や国際情勢の影響などから小幅に減少する見込みです。日並びから、長い休暇が取りにくいことも影響しているようです。
■また、総旅行消費額は前年から6.9%増え、9,683億円と推計されました。国内、海外ともに増加する見込みです。賃上げなどで、財布のヒモが少し緩んでいるかもしれません。
【ポイント2】新幹線開通で北陸の注目度アップ
海外は、“近場”と“定番”
■国内旅行では、北陸新幹線の開通で北陸方面の旅行が人気です。昨年オープンした「ハリー・ポッター」が人気の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」や、テレビドラマの舞台となった北海道、改修工事を終えた姫路城などが注目されています。また、旅行に関する傾向調査では、「ガソリン代が下がったので自動車で旅行」が最も多い回答でした。
■海外旅行では、今年は長い休暇が取りにくいことから、台湾、タイ、ベトナムなどの“近場”に加え、“定番“のハワイも人気です。

【今後の展開】消費者のマインドが改善、本格的な消費回復に期待
■景気回復から消費者のマインドは改善
今回の調査では、旅行支出を増やす傾向が強まっており、消費者マインドの改善がうかがわれます。また、宿泊先に関する調査でも、「実家・知人宅」の回答割合が低下し、「旅館」、「ホテル」が上昇しています。全般に景気の回復を反映した調査結果となっています。
■本格的な消費回復への期待が高まる
日本人による国内旅行者の増加と、円安などによる訪日外国人旅行者の大幅な増加は、国内消費の本格的な回復を後押しする要因として期待されます。昨年以上の賃上げが見込まれることも消費者マインド改善の背景となり、本格的な消費回復への期待が高まります。