ホームマーケット日々のマーケットレポート明るさ増す「さくらレポート」(日本)【キーワード】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

明るさ増す「さくらレポート」(日本)【キーワード】

2015年4月16日

<今日のキーワード>
「さくらレポート」は、日銀が3カ月に1度発表する地域ごとの景気情勢をまとめた「地域経済報告」のことです。「さくら」は、報告書の表紙が淡いピンクであることにちなんでいます。全国9地域ごとの総合的な景気判断に加え、設備投資や生産、消費、雇用・所得などの概況が報告されます。なお、米国の連邦準備制度理事会(FRB)がまとめる地区連銀経済報告は表紙がベージュ色のため「ベージュブック」と呼ばれています。

【ポイント1】近畿、東海、北陸の3地域の景気判断を引き上げ

消費税率引き上げ後、初の上方修正
■日銀は13日、「さくらレポート」を発表しました。近畿、東海、北陸の3地域の景気判断を前回1月の報告から引き上げました。景気判断が上方修正されたのは、消費税率引き上げ後初めてです。残る6地域の景気判断は据え置かれ、「回復」が維持されました。全ての地域で「消費税率引き上げ」の文言が削除され、消費税率引き上げの影響が薄れつつあることがうかがわれます。また、多くの地域で生産の持ち直しや雇用・所得の改善が見られました。

【ポイント2】輸出増が生産持ち直しに寄与

個人消費も持ち直し傾向
■円安などによる輸出の増加が、生産の持ち直しに寄与しています。特に自動車や電子・デバイスなどの輸出好調などが、東海、近畿の景気判断の上方修正につながりました。

■個人消費は、雇用・所得環境が着実な改善を続けていることなどを背景に、北陸、東海、四国、九州・沖縄の4地域で「緩やかに持ち直している」など、東北、関東甲信越、近畿、中国の4地域で「全体としては底堅く推移している」などと報告されました。

【今後の展開】企業収益、雇用の改善に続き、今後は個人消費の本格的な回復に期待

■大手スーパーは設備投資を拡大
消費の持ち直し傾向は、大手スーパーの投資計画にも表れています。国内大手スーパー10社は、2015年度の設備投資を全体として大幅に増やす計画です。賃上げや株高などにより消費マインドの好転が見えてきたことから、店舗の改装投資を強化し、消費回復に向けた準備に動き出しました。

■景気回復に向けた好循環に期待
主要企業の収益は、円安や原油安などもあり過去最高が続く見込みです。また今年の賃上げは昨年を上回ることが見込まれます。企業収益拡大が賃上げ、消費回復につながる循環がようやく強まりつつあるようです。

関連マーケットレポート