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家計動向の回復を示した「街角景気」(日本)【キーワード】

2015年4月9日

<今日のキーワード>
「景気ウォッチャー調査」は内閣府が毎月実施する景況感に関する調査で「街角景気」調査とも呼ばれます。タクシー運転手やコンビニエンスストアの店長、レストラン経営者など、景気に敏感な約2,000人が調査対象(ウォッチャー)です。3カ月前と比べたその時点の景気と、2~3カ月先の景気予測を調査します。算出された指数から好不況を判断する際の中立水準は、50ポイントです。

【ポイント1】家計動向が消費税増税後初めて50ポイント超え

「インバウンド消費」や「ガソリン安」の恩恵
■3月の「景気ウォッチャー調査」(調査期間3月25日~31日)は、「現状判断DI」が前月比+2.1ポイントの52.2ポイントと2カ月連続で中立の50ポイントを上回りました。家計動向が消費税増税後初めて50ポイントを上回り、企業動向、雇用ともに50ポイントを上回りました。家計動向では、飲食やサービスが大きく上昇し、小売も小幅に上昇しました。

■街角の声には、「中国、韓国、東南アジア諸国からのインバウンド客の増加、その人達の消費増加にかなり助けられている(九州の都市型ホテル)」といった声や、「ガソリン価格の低下や円安で良い影響が出ている。中国から仕事が戻りつつある(九州の繊維工業)」といった声が聞かれました。

【ポイント2】先行き判断DIも改善

「賃上げ」に対する期待続く
■2~3カ月先の見通しを示す「先行き判断DI」は前月比+0.2ポイントの53.4ポイントと3カ月連続で中立の50ポイント以上となりました。企業動向のうち製造業は3カ月ぶりに50ポイントを下回りましたが、家計動向、雇用ともに上昇しました。

■街角の声には「ベースアップや夏季賞与の増加等、消費にとって明るいニュースが多くなっている。増額分のうちある程度は消費に回り、景気全体が上向いてくるものと想定している(東海の百貨店)」といった賃上げによる消費回復に期待する声が聞かれました。

【今後の展開】企業の最高益更新、賃上げ、消費拡大で景況感改善へ

■「インバウンド消費」のすそ野が広がる
3月の「景気ウォッチャー調査」では、引き続き外国人旅行者による「インバウンド消費」が伸びているとの声が聞かれました。「インバウンド消費」は、家電などから和菓子、自然素材の化粧品などにも商品が広がり、また免税品店だけではなく、100円ショップやコンビニなどの業態にも広がりが見られます。

■賃金上昇による個人消費の回復に期待
円安や原油安などを背景に企業収益は過去最高が続くと見られます。それを受け、今年の賃上げは昨年以上が見込まれ、賃金上昇が消費の回復につながる好循環が進む期待が高まります。景況感の改善傾向は今後も続くと見られます。

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