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金融緩和、円安が「地価」にも波及(日本)【キーワード】

2015年3月27日

<今日のキーワード>
「公示地価」は国土交通省が毎年3月に公表する全国の土地の価格(1月1日時点)です。一般の土地取引価格の指標にされるほか、公共事業用地の取得価格などの算定基準になります。公の機関が発表する土地の価格は他に相続税や贈与税などの算定基準になる「路線価」(国税庁発表)があります。また、国土交通省は四半期毎の地価動向をまとめた「地価LOOKレポート」を発表しています。

【ポイント1】全国の商業地が7年ぶりにマイナスを脱する

金融緩和による投資意欲や生活利便性の高いマンションへの需要が高まる
■国土交通省は18日、2015年1月1日時点の「公示地価」を発表しました。全国の商業地は前年比横ばいとなり、7年ぶりにマイナスを脱しました。企業収益拡大でオフィス需要が高まったことが主な要因です。住宅地は同▲0.4%と依然マイナスですが、5年連続でマイナス幅が縮小し、徐々に改善しています。

■2月27日に公表された「地価LOOKレポート」(昨年10月1日~今年1月1日)で主要な住宅地の動向を見ると、前回調査に続き今回も地価が下落した地区はゼロでした。全体としても、主要な地区のうち地価が上昇している地区が増えており、国土交通省は、金融緩和による不動産投資意欲や生活利便性の高いマンションへの需要の向上が背景と分析しています。

【ポイント2】新幹線効果で投資が活発化

地方圏の7割が依然として下落
■「公示地価」では、今月14日に開業した北陸新幹線の影響で、金沢駅前の商業地が前年比+17.1%と上昇率で全国トップになりました。また、2027年の開業に向け昨年着工したリニア中央新幹線への期待から、名古屋駅前の商業地が、同+16.8%と大幅に上昇しました。

■地方圏の「公示地価」(全用途)では、依然として約7割の地点で地価が下落しています。

【今後の展開】都市圏の地価上昇継続、「地方創生」の浸透で全国的に底上げへ

■円安により海外からの不動産投資も
2020年には東京オリンピックが開催されます。会場やインフラ整備の投資が進み、東京周辺の不動産投資は今後さらに活発化すると見られます。またリート(不動産投資信託)や円安を背景とした海外投資家の投資拡大も期待されることから、都市圏の地価上昇は今後も続くと見られます。

■地方圏はアベノミクスの「地方創生」に期待
今後の注目は地方圏の地価動向です。アベノミクスの成長戦略では地方の活性化を重要施策のひとつとしています。今後、規制緩和や企業誘致などの施策が浸透することにより、不動産需要の回復につながり地価上昇に波及することが期待されます。

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