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「企業行動アンケート」、雇用を積極化(日本)【キーワード】

2015年3月19日

<今日のキーワード>
「企業行動に関するアンケート調査」は、企業が今後の景気や需要の動向をどのように見通しているかを把握する調査のひとつです。内閣府が毎年発表しています。為替の採算レートや海外生産比率などの調査もあり、企業の海外展開などを把握する指標としても有益です。今回は上場企業のうち回答のあった982社をもとに集計されました。

【ポイント1】海外生産比率の上昇続く

現地の需要増を取り込む
■内閣府は3日、「企業行動に関するアンケート調査」(2015年1月調査)を発表しました。これによると2014年度の海外生産比率(製造業の平均)は22.9%と前年度の22.3%から上昇し、2019年度には26.2%へさらに上昇する見通しとなっています。

■海外に生産拠点を置く理由の1位は「進出先近隣国の需要」(40.3%)となっており、2位の「労働コスト」(24.4%)を大きく上回っています。円高是正は進みましたが、現地の需要増に対応するため、海外での生産を強化する動きが今後も続く見通しです。

■今後3年間に設備投資を増やす企業の割合は64.5%と前年度調査の66.4%から低下しました。同じく減らす企業の割合が上昇しており、設備投資への態度は積極さがやや低下しました。

【ポイント2】現状の為替水準が続く見通し

輸出企業の収益は改善傾向
■1年後(2016年1月頃)の米ドル円レートの見通しは全産業ベースで119.5円と前年度調査の105.7円から14円程度の円安となり、現状程度の為替水準が続くと見られています。

■輸出企業の採算レートは99.0円と前年度調査の92.2円から7円近い円安(採算悪化)です。ただし、現状の米ドル円レートが続いた場合、依然として為替による利益の拡大が見込まれる水準です。

【今後の展開】企業収益拡大を国内投資拡大に循環させる施策の浸透に期待

■雇用を増やす企業の割合は上昇
今後3年間に雇用を増やす企業の割合は全産業ベースで61.1%と前年度調査の54.9%から上昇しました。また、雇用のうち正社員を増やす企業の割合(同)も60.0%と同53.5%から上昇しました。足元の労働市場における需給改善を反映していると見られます。

■国内投資を促す施策の浸透に期待
アベノミクスの成長戦略では地方の活性化や企業の投資を促すことを目指しています。今回の調査では、雇用増加の意向は見えたものの、設備投資への積極さがやや低下し、海外生産比率が今後も上昇する傾向が見られました。今後、国内での設備投資を促す施策の浸透が期待されます。

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