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「燃料電池車」発売!(日本)【キーワード】

2015年1月30日

<今日のキーワード>
「燃料電池車」(Fuel Cell Vehicle:以下、FCV)は、水素と酸素を反応させて発電するシステム(燃料電池)を利用した電気自動車(Electric Vehicle:以下、EV)の一種です。EVは蓄電池に電気を充電する必要がありますが、FCVは水素と空気(酸素)から自分で電気を作り出します。水しか排出しないことから究極のエコカーとして注目されています。

【ポイント1】世界で初めて「燃料電池車」が商用販売

発表後約1カ月で1,500台に達する受注を獲得
■トヨタ自動車は2014年11月、FCVの国内販売を同年12月から開始すると発表しました。FCVの商用販売は世界初となります。価格は約723万6,000円(消費税込み)ですが、国からの約200万円の補助金に加え、エコカー減税などで自動車重量税・取得税が約23万円軽減されます。

■1月22日付の同社発表によると、発売発表後約1カ月で1,500台に達する受注を獲得し、当初見込みを大幅に上回る販売となる見込みです。2015年秋頃から欧米での販売も計画しています。またホンダも2015年度中にFCVの販売を予定しています。

【ポイント2】水素ステーション設置などが普及のカギ

トヨタが関連特許を無償公開
■FCV普及のカギは、水素ステーションの設置や車両価格の引き下げなどです。FCVは1回の水素充填で約650km走行できます。政府は2015年度中に全国で100カ所程度の水素ステーション設置を計画しています。普及にはこうした利便性向上のための施策による後押しが必要と見られます。

■トヨタ自動車は1月6日にFCVに関連する特許を2020年末まで無償公開すると発表しました。次世代技術の特許を公開することは異例です。特許を無償公開することで他社の開発を促し、普及を加速するねらいがあると見られます。量産が進めば部品などのコスト低下による車両価格の引き下げも期待されます。

【今後の展開】FCVの普及により新事業の誕生も期待

■政府はFCVの普及を後押し
政府は2020年頃に水素価格をハイブリッド車の燃料代と同等以下を実現し、2025年頃にはFCVの車両価格をハイブリッド車と同等程度にするロードマップを作り普及を後押ししています。省エネや環境負荷低減につながる燃料電池の産業化に力を入れています。

■新しい事業の広がりにも期待
FCVが普及することにより、将来的に水素ステーションの整備や水素生産にとどまらず、家庭用電源の一部としても期待されるなど新しい事業を生み出す可能性を秘めています。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

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