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「倒産件数」は6年連続で減少(日本)【キーワード】

2015年1月29日

<今日のキーワード>
企業の「倒産件数」は東京商工リサーチが毎月発表する“全国企業倒産状況”で知ることができます。地区別、産業別、資本金別などに分類された「倒産件数」や負債総額が発表されています。
なお、中小企業庁が発表する“倒産の状況”は、東京商工リサーチのデータに基づいています。

【ポイント1】「倒産件数」は24年ぶりの低水準

金融機関の返済繰り延べや景気対策の公共事業が寄与
■東京商工リサーチが13日に発表した2014年の“全国企業倒産件数”(負債総額1,000万円以上)は前年比▲10.3%の9,731件と6年連続で減少し、1990年以来24年ぶりに1万件を下回りました。東京商工リサーチでは、「倒産件数」の減少は金融機関が中小企業への返済繰り延べに応じていることや、4月の消費税増税対策として打たれた公共事業などが要因としています。

■負債総額は同▲32.6%の1兆8,740億円と24年ぶりに2兆円を下回りました。また、負債100億円以上の大型「倒産件数」は7件と前年の21件から大きく減少しました。

【ポイント2】地区別、産業別に幅広く減少

「円安」、「人手不足」倒産は増加
■「倒産件数」を地区別に見ると全国9地区中、四国を除く8地区で減少し、産業別では10産業中7産業で減少しました。また規模別では、資本金1億円以上が前年比▲3%、同1億円未満が同▲10%とともに減少し、上場企業の「倒産件数」は24年ぶりにゼロとなりました。2014年は幅広い地域、産業で「倒産件数」は減少しました。

■昨今の円安、労働需給のタイト化を反映し、「円安」関連倒産が282件へ倍増し、「人手不足」関連倒産は前年比+38件の301件と増加しました。ただし、全体の件数から見れば少数にとどまりました。

【今後の展開】企業業績拡大、賃金増、消費回復の好循環に期待

■資金繰りを巡る環境は良好さが続く見通し
日銀は強力な金融緩和や貸出支援策などを通じて景気を後押ししています。20日~21日に行われた金融政策決定会合で「貸出増加支援」の期限を1年間延長し、「成長基盤強化支援」の総枠を7兆円から10兆円へ引き上げることなどを決定しました。企業の資金繰りを巡る環境は良好さが続く見通しです。

■企業業績拡大による好循環の進展に期待
「倒産件数」が6年連続で減少するなど、企業を取り巻く環境は改善しており、企業業績の拡大基調も続くと見られます。今年は大手企業を中心に賃上げの機運が高まっていることや、2015年度の税制改正で賃上げ企業に対する優遇税制が盛り込まれたことなどから、企業業績の拡大が賃金上昇につながり、消費が回復に向かう好循環が進展することが期待されます。

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