「外国人旅行者数」は過去最高(日本)【キーワード】
2015年1月21日
<今日のキーワード>
日本を訪れる「外国人旅行者数」を知るには、日本政府観光局(JNTO)が発表する“訪日外客数”が参考になります。直近2カ月分は、「外国人旅行者数」の多い国・地域の推計値が公表され、それ以前の分は法務省統計に基づく暫定値として公表されます。確報値は翌年に公表されます。推計値では世界18カ国・地域、暫定値では世界36カ国・地域からの「外国人旅行者数」が把握できます。
【ポイント1】「外国人旅行者数」は前年比29%増加
アジアからの増加が際立つ
■JNTOが20日に発表した2014年の“訪日外客数”は、前年比+29%の1,341万人と過去最高になりました。特に中国は同+83%の241万人と大幅に増加しました。また、タイが同+45%の66万人、マレーシアが同+41%の25万人になるなどアジアからの増加が際立ちました。円安により日本での消費に割安感が強まったことに加え、2014年10月からの化粧品や食料品などの消耗品が免税品目に追加されたことなども追い風となりました。
【ポイント2】インバウンド消費が拡大
新たな免税品目以外も拡大
■外国人旅行者が国内で消費する「インバウンド消費」も拡大しています。日本百貨店協会が発表している外国人旅行者への一般物品売上高(新たに免税品目となった消耗品を除く)を見ると、2014年7月から9月までは月額50億円前後で推移していましたが、10月は76億円、11月は81億円、12月は前年同月比2.5倍の113億円と急増しました。
■新しく免税品目に加わった消耗品以外のブランド品なども大幅に増加しました。

【今後の展開】都心部や観光地ではインバウンド消費拡大に期待
■政府の外国人旅行者誘致施策も奏功
アベノミクスでは、2020年に「外国人旅行者数」を2013年比約2倍の2,000万人へ拡大する目標を掲げ、ビザの発行要件緩和や免税品目の拡大、海外で広告などの訪日プロモーションを行うなど、外国人旅行者誘致の施策を行ってきました。2014年は円安の追い風に加え、この効果が現れたと見られます。政府目標の2,000万人は前倒し達成の勢いです。
■インバウンド消費拡大が消費を下支え
観光庁によると2014年1月から9月までの訪日外国人旅行消費額は前年同期から4割増しの1.5兆円でした。このペースが続けば年間では2兆円程度になると見られます。「外国人旅行者数」の増加は今後も続くと見られ、外国人旅行者が集中する都心部の小売業や地方の観光地などでは「インバウンド消費」の拡大による消費の下支えが期待されます。